あがり・うつ・不安・不眠の方々へ 赤坂心療クリニック ℡092-737-2660

お薬の豆知識

こころの不調には次のようなお薬があります。


穏和安定剤

  • いわゆる「安定剤」といわれているお薬です。
  • 抗不安薬・マイナートランキライザーと同義です。
  • 不安・イライラ・緊張・不眠・軽いうつ状態・パニック発作・肩こり・腰痛などに使用します。

睡眠導入剤

  • 医療関係者以外からは睡眠薬と呼ばれているようですが、正確には睡眠導入剤といい、上記の穏和安定剤の仲間です。
  • 不眠には、①寝つきが悪い②途中で目覚めてしまう③朝早く目覚めすぎる④よく寝た気がしないなどのタイプがあり、それに合わせて睡眠導入剤の種類を選択して使用します。
  • 分類としては、超短時間作用型・短時間作用型・中時間作用型・長時間作用型に分けられます。
  • 上記の①には超短時間作用型もしくは短時間作用型の睡眠導入剤が、②や③の場合には中時間作用型や長時間作用型のものが処方されるのが普通です。
  • 副作用としては
    • ハングオーバーといわれる翌朝の不快感・眠気・ふらつき・昼間の不活発さなどがみられることがあります。
    • 依存性は多少ありますが、主治医とよく相談のうえ使用しているならば安心してよいと思います。
    • 高齢者の場合、夜間トイレ覚醒の際などの転倒事故の要因となることがあるので注意が必要でしょう。
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抗うつ薬

  • 文字通り「うつ病」のお薬です。
  • 「神経症」やその他の「うつ状態」に使用されることも多いお薬です。
  • 注意すべきは、速効性はないということです。
  • 特にうつ病に使用した場合、十分な効果を顕わすまでに2週間くらいかかるといわれています。
  • ①うつ状態(抑うつ気分・意欲低下・興味関心の低下・食欲低下・不眠・気力活力の低下・思考や行動の抑制状態など)②強迫症状(極度の確認・不潔恐怖・極度の手洗い行為など)③不安発作などに使用されます。
  • 副作用は
    • 新しいタイプの抗うつ薬では
      • 10~30%程度の方に、吐き気・食欲低下などがでる程度です。
      • 通常これらの副作用は、数日から3週間以内になくなります。
    • 古いタイプの抗うつ薬の場合は
      • 口が乾く・便秘になるなどが高頻度に出現しますが、現在ではほとんど使われていません。
      • 服用量が多くなると、立ちくらみがする・手指が震える・尿が出にくくなるなどの症状が出現する可能性があります。
      • しかし、1~3週間くらいで慣れが生じることが多く、また、お薬を減量したり中止すれば副作用はなくなるので心配はありません。

気分安定化薬

  • おもに躁うつ病、ときに治りにくいうつ病に使います。
  • 衝動行為の激しいときに使うこともあります。
  • 副作用は
    • 上記の抗うつ薬と同様ですが、古い抗うつ薬より程度は軽いと考えてよいでしょう。
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強力安定剤

  • 市販の医療機関からもらった薬が分かるという本には精神分裂病(統合失調症)のお薬などとの記載があり、ビックリされる方がいます。
  • しかし、これらのお薬はうつ病や神経症・ある種の自律神経失調症にも使用するお薬です。
  • 短絡的に統合失調症のお薬と決め付けないようにする必要があります。
  • この類のお薬は、①強い不安・焦燥②極度の不眠③衝動抑制の欠如④幻覚・妄想状態⑤躁状態、場合によっては⑥うつ状態などに対して使用されます。
  • 副作用は
    • 上記の抗うつ薬と同様ですが、程度はより強いと考えてよいでしょう。
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抗てんかん薬

  • てんかんのお薬ですが、①衝動性の亢進②治り難いうつ病③躁状態などにも使用します。

重大な副作用(★まず起こることはありません!)

悪性症候群

  • 無動緘黙・強度の筋強剛・嚥下困難・頻脈・血圧の変動・発汗など見られます。
  • それから高熱がでるようになります。
  • 命にかかわる状態ですので兆候が表れたら、すぐに主治医に連絡しましょう。
  • 抗精神病薬と抗うつ薬を併用したときや、大量に服薬しているとき、食事や水分がとれていない衰弱時にみられることが多いように思います。
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セロトニン症候群

  • 不安・焦燥・興奮・錯乱・幻覚・筋肉のぴくつき・発汗・頻脈・震えなどが見られます。
  • 大量服薬したときや、セロトニン作用薬との併用時に出る可能性があります。
  • あれっ?と思えば、すぐに主治医に連絡しましょう。
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重篤な皮膚症状

  • 中毒性表皮壊死融解症
    • Toxic Epidermal Necrolysis(TEN)やライエル症候群などともいいます。
    • 全身が広範囲にわたり赤くなり、全身にやけどのような水ぶくれ・皮ふのはがれ・ただれ・高熱(38℃以上)・皮ふや口にできるぶつぶつ・目が赤くなるなどの症状がみられます。
    • 高熱(38℃以上)・目の充血・くちびるのただれ・のどの痛み・皮ふの広い範囲が赤くなるなどの症状が、続いたり急激に悪くなったりするようなときは要注意です。
  • 皮膚粘膜眼症候群
    • Stevens-Johnson症候群ともいいます。
    • 高熱(38℃以上)を伴って、発・発赤・やけどのような水ぶくれなどの激しい症状が、比較的短期間に全身の皮ふ口目の粘膜にあらわれます。
    • 高熱(38℃以上)・目の充血・めやに・まぶたの腫れ・目が開けづらい・くちびるや陰部のただれ・排尿排便時の痛み・のどの痛み・皮ふの広い範囲が赤くなるなどの症状がみられ、その症状が持続したり、急激に悪くなったりするときは要注意です。
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知っておきたい副作用

アクティベーション症候群

  • 一時的なものですが、すぐ主治医に相談しましょう。
  • 抗うつ薬を服用しはじめに、ときに出ることがあります。
  • 飲みはじめや量が増えたあと、10日~2週間くらいで生じることが多いようです。
  • ちょっと異様に活動的・衝動的・攻撃的・イライラしやすい・怒りっぽくなるなど、
  • または、不安・焦り・不眠などが生じるものです。
  • 自分を傷つけたり、自殺にいたることもあります。
  • 特に、10代~20代前半の人や、躁うつ病、境界型人格障害の方に生じやすいようです。
  • あれっ?と思えば、すぐに主治医に連絡しましょう。
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離脱症候群

  • 抗うつ薬を急に中断したり、大幅に減量したときにあらわれることがあります。
  • 電気ショック様のしびれ・耳なり・神経過敏・めまい・嘔気・情動不安定(涙ぐむ・気分変動・自殺したくなる・自殺するなど)・腹痛などの症状がみられます。
  • あれっ?と思えば、すぐに主治医に連絡しましょう。
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個々のお薬の詳細を知りたい方は 

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