なぜお薬を少なくできるか
お薬を少なくするために
医師による面接を重視し、症状が生じた状況を丹念に分析することで、自らの気づきが促進され、結果としてお薬を少なくすることができます。
- さらに、自分のこころの流れが、自分ひとりでは理解できなくても、医師による面接で気づきのヒントを得ることができれば、自己心理分析ができるようになります。
- これができるようになれば、今後生じるストレス状況に自己対処できるようになり、ストレスが生じても病院で相談することなく自己処理できるようになるのです。
面接のシュミレーション例(P=ご相談者・T=治療者)
P:不安です!
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T:不安の原因はわかりますか?
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P:分かりません…理由は思い浮かびません。
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T:小さな心配事や一寸した葛藤が刺激されても、漠然とした不安は生じるものです。些細なことでも何か変化はありませんでしたか?
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P:いいえ、何も変わったことはありません。
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T:何も変わったことはないのですね…では、何か継続している心配事はありませんか?
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P:そーですね。商売を始めて3年になるのですが、なかなか経営が安定せず、同業者に比べて売上が少ないのです。いつになったら経営が安定するか、いつも不安になています。
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T:経営が不安定なのですね。赤字が多いのですか?
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P:いえ、赤字までにはなっていません。
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T:では、生活できないくらいの黒字ですか?
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P:いえ、生活は何とか。贅沢はできませんが、食べるのには困りません。
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T:食べるのに困らないない程度には収入があるのに不安なのですね?
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P:同業者はもっと稼いでいます。それに比べれば、全然ダメです。私は劣っています。同業者は、裕福に暮らしています。
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T:裕福というのは、どんな生活をしているのですか?
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P:外車に乗っています。高級車です。BMWとかベンツにです。私は国産のファミリーカーです。
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「ナゼ?」高級車に乗りたいのですか?
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いえ、私は車にはあまり興味がありません。
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T:車には興味がないのに、BMWやベンツに人が乗っていると自分が劣っていると思うのですか?
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P:いえ、そういう車に乗れるほどに業績がいいことに比べて、私の事業が上手く行っていないことがダメだと感じるのです。
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T:生活には困らないないほどには経営できているけれど、同業者に比べると売上が上がっていない。それで、自分はダメだと感じているのですね?
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P:はい…そう感じます。
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T:同業者の中で一番にならないといけないのですか?
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P:いえ、一番でないとなんて思っていません。
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T:平均くらいならいいのですか?
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P:上から3分の2くらいであればいいと思います。
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T:上位3分の2には入っていないのですね?
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P:いえ、はっきりとは分かりませんが、同業者は、もっと稼いでいます。
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T:どうやってそれが分かったか教えてもらってもいいですか?
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P:分かりません。でも、みんな余裕があるように見えます。
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T:どんなところが余裕があるように見えるのですか?
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P:どんなところといっても…何か余裕があるように思えます。
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T:皆さんベンツに乗っている?
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P:いえ、国産車の人も結構います。
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T:高級車に乗っているのは一部の人達ですか?
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P:はい。でも、国産車に乗っているのは、車にあまり興味のない人たちです。
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T:Pさんのように?
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P:はい。私も車には興味はありません。
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T:……
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P:…何か私、考えすぎていたのかもしれません。生活には困らない程度の収益はありますし、同業者の多くと同じ程度の生活は送っていけています。あまりにトップレベルの同業者と比較しすぎていたのかも知れません。10年前には憧れるほど羽振りが良かった同業者で、今は倒産している人も何人か知っています。そんな人たちは、有頂天になって、事業の工夫もせず時代の流れに取り残されて消えて行ったのだと思います。私の会社は、うなぎ登りとは行きませんが、数%ずつは成長しています。工夫し続ければ何とかなるような気がしてきました。