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トラウマ形成メカニズムを解明?(再考して掲載)

トラウマ形成メカニズムを解明?(再考して掲載)

Tag: トラウマ 恐怖刺激
横浜市立大学の先端医科学研究センター、高橋琢哉教授の研究グループが、トラウマ記憶形成の分子細胞メカニズムを解明したというのです。
=2011年7月発刊米国科学雑誌『Proceedings of the National Academy of Sciences』に掲載=

脳は、外的刺激により絶えず変化し、恐怖刺激に対しても脳は変化します。

恐怖刺激などにより神経細胞が活性化すると、その神経細胞から神経伝達物質が放出され、受け手の神経細胞にある受容体に伝達物質が結合することで情報が伝わります。

脳内の神経伝達物質の伝達においては、グルタミン酸が中心的な役割を担っていますが、AMPA受容体というグルタミン酸受容体の一つにグルタミン酸が結合すると、AMPA受容体が活性化しイオンが細胞内に流入します。

このイオンの流入で受け手の神経細胞が活性化され、刺激情報が伝わったということになるのです。

動物が新しいことを経験すると、神経伝達物質の受け手の細胞内のAMPA受容体が細胞表面に移動(シナプス移行)し、その数が増えて、外的刺激からの脳細胞の反応が増強することは、すでに明らかになっています(Takahashi et al. Science 2003)。

恐怖記憶が海馬に刻印される(トラウマとなる)ときには、AMPA受容体の一つであるGluR1が、海馬のCA3領域からCA1領域に向られるシナプスに移行して、恐怖刺激への反応がが強化されることが分かりました。

また、海馬CA1領域においてGluR1のシナプスへの移行を阻害すると、恐怖学習の成立が阻害されることも判明しました。

さらに、恐怖記憶の強度が、GluR1のシナプス移行を起こしている細胞の数に対数比例することも明らかになりました。

海馬におけるAMPA受容体シナプス移行が恐怖記憶形成に必要であるということが解明されたというのです。

このシナプス移行を元に戻すようなお薬ができれば、トラウマの根治ができるようになりますね。

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