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生きる意味?

生きる意味?

ブッツァーティ「タタール人の砂漠」読了。

人生には、望まず嫌でも、幻想としての目的性という何となく引きずりこまれて行く生き方があるのだろう。

ジョヴァンニ・ドローゴの人生もそうなのかも知れない。

物語の最後、30数年待ち続けた敵の来襲に、もはや病床にあって戦うことさえ許されず、退去を強いられるジョヴァンニ。

戦えぬ屈辱と苦しみ。

しかし、ジョヴァンニには孤高の戦いが最終章として訪れることとなる。

それは勝ち負けを超越する当にマインドフルネスへの昇華であろう。

この物語を人はどう解釈するだろうか?

現世で成果のみを思い焦がれている人は読んでみるといいかもしれない…

ある患者さんはこれを読んで只々気が塞ぎ生きる気力を無くしてしまったという。

私はジョヴァンニであってもいいと思う。

思いは人それぞれ…か。

成果のない、それ以上に惨めな人生であっても、この世に存在した'こと'自体が、人生の意味や生きる価値という次元を超越する特異点に至らしめるのではないだろうか?

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