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切断ヴィーナス

切断ヴィーナス

越智貴雄「切断ヴィーナス」、微妙複雑な本だ。

義足女性の写真集なのだが、何か微妙な魅力がある。

文章部分は作者(フォトグラファー)と義肢義足士、被写モデル達のプロフィールのみ。

何も撮影フォトにコメントはない。

何を思うかはみる人次第。

須川まきこ氏のエンプティー・チェアー・テクニック風の1枚があった。

義足と対座し、

己が分身の義足を、

我が子を慈しむような眼差しで見つめる。

どんな人生があったのだろうか…

そして、これからどんな人生が巡ってくるのだろうか…

メッセージは、単純に楽観的でも、単純に悲壮的でも、見かけだけでのセクシーさだけでもない。

生き方は自由だし、どう生きるかを決めるのは自分である。

人生は巡ってくるものをただ単に待っているものではないのだろう。

脚がなくても、

病気でも、

あるがままの今をアクセプトする。

苦悩は苦悩のままに…

嫌悪は嫌悪のままに…

運命の好意に自らを委ね、

積極的でも、そして消極的でもない心の構え、アクセプトすることが生きるということを"なにかあること"にするのかも知れない。

…できそうにもないよなぁ、まだまだ私には… ~_~;






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