プールのメタファー
プールのメタファー
ストレス状況とはプールに満ちている水のようなものです。
よほど泳ぎが得意でない限り、プールの水暈がどんどん増えていって、口元まで水位か来れば脅威を感じます。
そんな時、パニックになって騒ぎ立てれば水が口に入って息が苦しくなってしまいます。
そしてパニックの度合いは更に酷くなり、より慌てふためいてもがき出して、益々、水が顔にかかって口に入り息が苦しくなります。
こんな時、①ここはプールで荒れた海ではない②プールの縁を見ると水位はギリギリまで上昇している③だからこれ以上は水位が上がることはない④ジッとしていれば溺れることはない⑤ちょっと爪先立ちすれば呼吸は少し楽になる⑤爪先立ちしながらユックリとプールの端まで歩いていけばいい⑥よく見渡すと右斜め後方の縁までが一番近い⑦そこを目指してユックリと進もう!
というようにストレス状況を客観的に分析して論理的に対処行動を考え実行すれば、パニックに陥ることはありません。
しかし、人間の性で、水がドンドン増えてくると、
息が苦しい!溺れて死んでしまう!うわーっ苦しい!大変だ!どうしよう!
息が苦しいい!溺れてしまう!死ぬ!大変だ!どうしよう!
あー苦しい!大変だ!溺れる!どうしよう!
大変だ!溺れる!どうしよう!
大変だ!どうしよう!
大変だ!どうしよう!
・・・
という風に、心理的にパニック状態となってしまって適切な対処行動ができなくなってしまいます。
このような思考過程の結果、人は病的な不安に陥ったり落ち込んだり眠れなくなったりします。
これが病気の状態(=溺れている状態)です。
パニックになってもならなくても、プールの水位は変わりません!
「大変だ!どうしよう!」思考に頭を占領されて、適切な対処行動すなわち、客観的冷静な状況分析を行って適切な対処行動プランを策定し実行することができなくなっているのです。
「大変だ!どうしよう!」思考に気づき、それを止めれば病気になることはありませんし、病気から回復することができるのです。
この気づくということが、病気からの回復と再発予防の鍵となります。
気づきを習得するのは困難な作業ですが、努力すれば必ず一定の成果を上げることができます。
「あっ、また考えている」と気づくことからはじめてみてはどうでしょうか。