I think…を加えてみませんか?
I think…を加えてみませんか?
I think を加えてみましょう。
日本語は主語を省略することが多い言語です。
例えば、「旅行に行きたいんだよ」を正確に表現すれば、
「私は旅行に行きたいんだよ」になります。
これが、何か切っ掛けがあって「旅行に行きたいなあ」と考えたとき、
通常の状態では、「旅行に行きたい」という思考と「旅行に行きたい自分の存在」が不可分の融合した一体として無意識に認識されています。
こうして思考と自分が一体化することで、旅行に行った喜びが想像でき、他人との会話もスムースになり感情のこもったものになります。
これは思考のフォースの部分です。
しかし、次のような場合はどうでしょうか?
何ヶ月か前にしでかしてしまった失敗をまたしてしまい、上司や配偶者に怒られてしまったとします。
そこでこんな思いが頭に浮かんだら?
「あー、『また』やってしまった…私って『本当にダメな人間だ』なぁ…ナゼ同じ『失敗を繰り返してしまう』んだろう…私なんか『いない方がいい』んじゃないか…」
と考えているだけなのですが、
『また』する私イメージ…
『本当にダメな人間だ』という私イメージ…
『失敗を繰り返してしまう』私イメージ…
『いない方がいい』私イメージ…
などなどの「ネガティブな私イメージ」がどんどん発展していきませんか?
これは言語(=思考)のダークサイドです。
これは、ネガティブな思考と自分が一体化してしまっている結果なのです。
つまり無意識の思考の裏側で、
I am『本当にダメな人間だ』
になってしまっているのです。
本当は、
I think 「I am『本当にダメな人間だ』」
であるはずなのにです。
前者が思考と自分が混同融合して一体化した状態です。
そして後者は、思考と自分が一体化せず、思考と自分は異なるものであるということが意識下に認識できている状態です。
うつ病や不安障害をはじめ多くの心の病気で、前者の状態が認められることが分かってきています。
そして、この状態が病気が治らない大きな要因であり、これを後者の状態になれるよう気づく練習をすることが、回復に繋がることも実証されているのです。
当院では、このような観点からの治療も行っていますが、不安障害の方には特に有効なようです。
頭の片隅にでも、この観点を置いておくと役に立つ日もやってくるのではと思います。