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精神科医療で大切なこと

精神科医療で大切なこと

Neurology(オンライン版2015年1月28日掲載)によれば、

全く同じ偽薬を、パーキンソン病のある患者さんには通常価格のクスリ、別の患者さんには通常価格の15倍以上する新薬であると告げて治療したとき、

どちらも効果は同じであると医師から告げられているのにも拘らず、

通常価格のクスリであると告げられた患者群をA、

高価な新薬であると告げられた患者群をB、

本当の治療薬で治療された患者群をCとすると、

なんと偽薬でも実際にパーキンソン病の症状である振戦や筋固縮などの症状が改善し、その治療効果は、

C(本当の治療薬) > B(高価な偽薬) > A(安価な偽薬)

であったとのことです。

しかも、MRIで患者の脳活動が、高価な新薬であると告げられた患者群では、実際の治療薬で治療した患者群と同程度の脳活動が得られたというのです。

これは、高価な新薬への主観的期待感が、ドーパミンの分泌を促進したためであろうと推測されています。

乱暴な言い方をするなら、信じるものは救われる!ということでしょうか。

精神科治療においては、おクスリに関して同様のことが言える、否、おクスリに不安や嫌悪感を感じているとおクスリが効かないという現象に相当するでしょう。

それだけではなく、精神科治療の場合、治療者に対する信頼感、相互協力的治療関係が重要であるということになります。

患者さんにとって、治療者が信頼できる人物でなければ、治るものも治らないのです。

如何に患者さんに安心感を持ってもらって、相互の信頼関係を築けるかというのも治療者の能力になるということです。

誠実さ、礼節、態度や言葉の遣い方、笑顔、そして身なりetc.etc.

配慮せねばならないことはいくつもありますが、本質はそれが本物であること、

つまりは、治療者の人間性そのものを磨くことが大切なのでしょう。

私も、まだまだ修練せねばなりません…

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