怒りとマインドフルネスと脳機能…???
怒りとマインドフルネスと脳機能…???
非常に不快な体験!
8月10日、某所交差点近くでのこと。
救急車がサイレンを鳴らして接近てきた。
交差点のはるか手前で、右折車線に行こうとする車が車線と車線を跨いで停止している。
救急車が車線を開けてくださいとマイクで放送する。
救急車がぴったりと後方に停車しても、
その車は全く動こうとしない。
信号が変わって、その車は平然と道を譲ろうともせず右折車線に入っていく。
救急車は追い越すことができない。
その車は歩行者がいるのでようやく半分右折して止まる。
やっと救急車は、その車と停止してくれた歩行者の横をすり抜けることができた。
怒りがこみ上げてきた。
横断歩道で見たその車のドライバーは、
全く善良そうな中年近い女性であった!
怒りが、ナゼ?に変わった…
…
人間には公正さや不正を許せないことを、意識する前に無意識で自動的に反応する生得的な脳内モジュールが存在することがわかっています。
不正を許さない脳内モジュールは情動反応も引き起こすとのこと。
私の怒りは、これによれば、遺伝的に規定されたた不正を許さない脳内モジュールが引き起こした無意識の反応であると言えるのです。
さらに、これらの無意識の情動反応の意味付けを耐え難く切望する、本能システムも人間の脳には書き込まれており、
その衝動を満足させるために、
認知しうる限りの情報と、それまでの経験を総動員して納得できるストーリーを創作するのが左脳のインタープリターというシステムであるのだそうです。
交差点でドライバーの顔を見るまで、
私のインタープリターは、救急車の進路を塞いで平然と走行する不遜なドライバーに、
邪悪なドライバーであるとのインタープリター的解釈を形成しつつあったのでしょう。
しかし、全く善良そうな中年近い女性がドライバーであったことを認識情報として得たことで、
それまでインタープリターが辻褄合わせしようと形成しつつあったストーリーを修正せねばならなくなったのです。
ゆえに、
私のインタープリターが情報の再構成をするための演算時間が、
ナゼ?という感覚を生じさせたのでしょう。
意識や思考など、脳と精神の作用メカニズムは本質的に解明されていないのが現在です。
しかし、
怒りの発生に対して、
あっ、今、不正検知モジュールが自動発動したぞ!
あっ、左脳のインタープリターが理由付けをはじめたぞ!
とか自分の情動と思考を観察すれば、
情動や思考を暴走させずに済むことも確かなようです。
あっ!これってマインドフルネスじゃないか!
こうしてみると、マインドフルネスとは、本能的情動反応とインタープリター機能を客観的に観察することで、
情動反応とインタープリター機能を暴走させないスキルということになるかもしれませんね。
この領域のさらなる脳機能の解明を期待したいと思います。