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妊娠しても抗うつ薬は続けるべきか?

妊娠しても抗うつ薬は続けるべきか?

抗うつ薬を服用しておられる女性の心配に、

お薬を飲んでいて妊娠しても大丈夫か?というものがあります。

1996-2007年の人工妊娠中絶1万4,902例と妊娠を継続した14万8,929例を比較したデンマーク・フィンランド・ノルウェーのデータを解析した研究によると、

①抗うつ薬を服用していた頻度は、中絶群3.7%、コントロール群2.2%であった。

②「抗うつ薬を使用」をしていると「母体の健康状態もしくは社会経済的問題による中絶」のリスクが2倍以上(オッズ比2.3)になる。

(注)抗うつ薬を服用していたから母体の健康状態もしくは社会経済的問題による中絶が増えたのか、母体の健康状態もしくは社会経済的問題が良くないから抗うつ薬を服用するような状態になったのかは、統計からは分からないということに留意する必要があります。

③ミルタザピン(商品名リフレックス、レメロン)を服用していると胎児異常による中絶のリスクが約2倍以上(オッズ比2.2)になる。

④他の抗うつ薬と胎児異常による中絶との間には有意な関連は検出されなかった。

以上、カロリンスカ研究所(スウェーデン)H.Kielerらの研究(BJOGオンライン版2014年11月14日号)。

ミルタザピン(商品名リフレックス、レメロン)は妊娠が分かれば、直ぐに他の抗うつ薬に切り替える方が望ましいということでしょうか…

②の(注)に述べたことと異なり、

③については、ミルタザピン(商品名リフレックス、レメロン)を服用しているから胎児異常による中絶のリスクが高くなるということはあっても、

胎児異常による中絶の可能性が高い人がたまたまルタザピン(商品名リフレックス、レメロン)を服用していたということは極めて考えにくい(統計自体が偶然を排除する性格のものであるので当然でしょう)ですので、

やはり患者さんが妊娠すれば、ミルタザピン(商品名リフレックス、レメロン)の服用を他剤に切り替えていくことが望ましいのかも知れません。

しかし、

他の抗うつ薬でも全ての理由での中絶リスクは増えるのですから、

ミルタザピン(商品名リフレックス、レメロン)に限らず、全ての抗うつ薬で、徐々に漢方薬などに移行していく必要があると解釈するのベターなのではないでしょうか?

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