FrontPage/2025-02-18
★ 中年太りの原因は脳にあった?
Tag: 今日の「へーっ」
中年太りの原因は脳にあった?
名古屋大学の研究チームの報告によれば、加齢による肥満(中年太り)の原因となる脳の仕組みがラットを用いて解明されたとのことです。
研究者たちは、脳の視床下部にある「食欲を抑えたり代謝を活発にしたりして肥満を防ぐ役割を担っているメラノコルチン4型受容体(MC4R)」というたんぱく質が、年齢とともにどのように変化するかを調べました。
この研究の結果、MC4Rが「一次繊毛」と呼ばれる細長いアンテナ状の構造に存在し、この一次繊毛が縮んでしまうことも確認されました。
また、一次繊毛の縮小は、食べすぎによって進行し、食べる量を抑えることで一次繊毛の縮小は防げることも判明。さらに、遺伝子操作で若いラットの一次繊毛を人工的に縮小させると、食欲が増して代謝が落ち、肥満につながることが分かりました。このとき、人間の肥満患者に見られる「レプチン抵抗性」という状態も確認されています。
これらの結果から、加齢による一次繊毛の縮小がMC4Rの働きを低下させ、それが年齢とともに太りやすくなる要因のひとつであることが明らかになりました。この研究は、肥満の根本的な原因を解明し、糖尿病などの生活習慣病の予防や治療につながる可能性があると期待されています。
情報源
(1) 中年太りの仕組みを解明 ~肥満による生活習慣病の画期的な .... https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2024/03/-1-5.html.
(2) 共同発表:中年太りの仕組みを解明~肥満による生活習慣病の .... https://www.jst.go.jp/pr/announce/20240307/index.html.
(3) 中年太りの仕組みを解明 ~肥満による生活習慣病の画期的な .... https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2024/03/-1-5.html.
(4) 共同発表:中年太りの仕組みを解明~肥満による生活習慣病の .... https://www.jst.go.jp/pr/announce/20240307/index.html.
(5) 【朗報】中年太りの仕組みが解明された - NewsPicks. https://bing.com/search?q=%e4%b8%ad%e5%b9%b4%e5%a4%aa%e3%82%8a%e3%81%ae%e4%bb%95%e7%b5%84%e3%81%bf%e3%82%92%e8%a7%a3%e6%98%8e+Cell+Metabolism.
(6) 「中年太り」 “代謝促す神経細胞 アンテナ縮むことが原因か .... https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240307/k10014382121000.html.
(7) 【朗報】中年太りの仕組みが解明された - NewsPicks. https://newspicks.com/news/9704466/body/.
(8) 「中年太り」は神経細胞の変化が原因か 名古屋大研究グループ .... https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20240307/3000034528.html.
用語説明
メラノコルチン 4 型受容体(MC4R)
遺伝性肥満の原因遺伝子として知られる受容体。MC4R は、飽食シグナルの伝達分子であるメラノコルチンを受容すると、自らが発現するニューロンの神経伝達活動を活性化することで神経回路を作動させ、全身の代謝や熱産生を促進するとともに食欲を抑制し、抗肥満作用を生み出す。
一次繊毛
細胞外に突き出ている不動性の繊毛。がん細胞や血球以外のほとんど全ての正常細胞に存在する。近年、ニューロンが一次繊毛を持つことが知られるようになった。各ニューロンが1本ずつ持ち、アンテナとして機能する一次繊毛には様々な受容体が存在し、脳内を流れる多様な液性因子を受容していると考えられている。
レプチン抵抗性
体内の白色脂肪細胞からレプチンが血中に分泌されているにもかかわらず、標的臓器でのレプチンの作用が低下している状態のこと。レプチンの抗肥満作用が得られないため、肥満が進行し、様々な生活習慣病につながるリスクが高まる。レプチン抵抗性は肥満治療における大きな問題だが、それが生じるメカニズムは不明であった。Tweet