FrontPage/2025-03-11
Tag: 今日の「へーっ」
父親の飲酒は子の先天性異常と関連か?
男性の飲酒が新生児の先天性異常のリスクを高める可能性があることが、新たな研究で示唆されたので記事にしました。米テキサスA&M大学のMichael Golding教授が主導したマウスを用いた実験で、2023年12月3日に「Andrology」に掲載されました。
研究の結果、男性の飲酒が精子の遺伝子やミトコンドリアにエピジェネティックな変化をもたらし、その変化が胎児の発育に影響を与える可能性があることが示唆されました。そして、父親が妊娠を試みる3カ月前から禁酒することで、胎児の先天性異常のリスクを減らせる可能性があると提案しています。
ただし、この研究は、マウスを用いた動物実験であり、人間にそのまま適用できるとは限りません。また、男性の飲酒が、胎児の先天性異常のリスクに影響を与えるという仮説を検証したものであり、実際の発生頻度やメカニズムはまだ明らかになっていない点には注意が必要でしょう。
参考
エピジェネティクスとは、DNAの配列自体を変えずに、遺伝子の働きを調節する仕組みのことです。例えば、環境や生活習慣(食事、ストレス、飲酒など)が原因で、遺伝子の「スイッチ」がオン・オフされることがあります。この変化は、場合によっては子孫に受け継がれることもあります。
参考文献
Golding, M. C., & Westhusin, M. E. (2023). Chronic paternal alcohol consumption alters sperm and affects offspring development in mice. Andrology, 11(1), 136-147.
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