FrontPage/2026-06-21
Tag: オートポイエーシス 精神医学 レジリエンス こころ
精神疾患をオートポイエーシスという観点から考えてみた
オートポイエーシス(自分で自分を産み出し続けること)という言葉をご存じでしょうか。
もともとは細胞の生き方を説明する考え方でした。細胞は外から設計図をもらわず、自分で膜や中身を作り、その膜がまた自分を守る。そんな円をぐるぐる回しながら存在しているのです。
じつはこの発想、人のこころにもあてはまるのではないか——そんなふうに考えてみました。
心にもあてはめてみる
この発想は人の心にも応用されてきました。ひとつの考えが次の考えを呼び、それがまた次へ……と、思考が自分で自分を生み出し続けているとみる見方です。
ここで大事なのは、変えてもよい部分(構造)と、その人らしさの核(組織)が区別される点です。核を保ったまま、まわりの部分はやわらかく組み替えられる——そう考えると、精神疾患の症状も少し違って見えてきませんか?
「立ち直る力」としてのレジリエンス
ここで登場するのがレジリエンス(逆境からしなやかに立ち直る力)です。これは、核を失わずに構造のほうを変えて、ゆさぶりを吸収し立ち直る力と言いかえられます。
「折れずにしなる」というイメージが、自分を作り続けるしくみの話とぴったり重なるのです!
この目で見ると、症状はただの故障ではなく、ゆさぶりを受けながらより良い形へ組み替わろうとしている途中、と読めてきます。治療者にできるのは、無理に書き換えることではなく、立ち直る力が自然に引き出される環境をそっと整えること(摂動:やさしくゆさぶること)なのかもしれません。
おわりに
立ち直る力は、ひとりで歯を食いしばることではなく、人や環境との関わりの中で育っていくものです。
心を機械の修理ではなく「自分を作り直していく、生きたしくみ」として眺めてみる。そんな見方が、回復への小さな手がかりになることもあるのではないでしょうか。

※記事の要点をマインドマップにまとめてみました。
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