喘息もストレス病?
喘息もストレス病?
Tag: 身体病 遺伝子 喘息
喘息は、ストレスが病状に影響します。
からだの病気でありながら、ストレスなど心理的要因が、病気の発病や経過に大きく影響するものを、心身症といいます。
この喘息についての科学的研究報告が、日経メディカルオンラインに掲載されました。
なんと、遺伝子的変化が生じて、気管支の細胞が違う種類の細胞に変わってしまうというのです。
喘息患者さんは、外部のいろいろな刺激からの防御機能をになっている気道表面の粘液が増加しています。
これが粘液の栓として気道をふさぐことで、重症発作や喘息死の原因になるともいわれています。
この粘液分泌増加は、気道に存在する杯(さかずき)細胞の増加が影響しているということです。
この杯細胞の増加は、次のようなメカニズムが働いてのことであるという説があります。
喘息奨励では、いろいろな刺激によって、線毛細胞の上皮成長因子受容体(EGFR)というものが活性化され、Bcl-2という蛋白が誘導されてアポトーシス(全体をよりよく保つために予定された細胞の死滅)が抑制される。その結果、線毛細胞の寿命が延長したところに、Th2細胞(体液性免疫に関与する細胞)が作るIL-13(IgE産生に関与するサイトカイン)が入ると、ムチン蛋白を制御する遺伝子の1つMUC5ACが発現して、線毛細胞が杯細胞に変化するという説です。
20005年に報告されたものです。
遺伝子レベルの変化が、喘息患者さんに生じているかもしれないというのは驚きです。
以前に書いた(2011-05-27)脳内での変化も含め、遺伝子が関与する病態の解明が進めば、いろいろな病気を根治できる薬ができるかも知れません。
期待しましょう。