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リワーク事業に波乱?

リワーク事業に波乱?

Tag: リワーク

損害保険会社が、復職支援事業に画期的システム展開。

損害保険ジャパンの子会社である損保ジャパン・ヘルスケアサービス(SJHS)が、大企業を対象に「成果保証」型リワークサービス(復職支援事業)をはじめるようです。

契約1年後の復職率が事前の目標に到達しないとき、最大、料金の全額を返却するという画期的なサービスです。

SJHSのこの試みが成功したときには、多くの復職支援事業者が、自らの存在意義を問われることになるでしょう。

医療機関も例外ではありません。

医療機関のリワークデイケアは、患者さんが料金を払って、しかも復職できなくても、お金は戻ってきません。

SJHSのリワークサービスは、会社が料金を支払うため、患者さんの自己負担は、交通費と昼ご飯代くらいです。

当院にはリワークデイケアはありませんが、あったとして試算してみますと、わたしが自宅から自分のクリニックに通った場合、バス代220円×2+昼食代500円くらい×リワークデイケア自己負担2100円で、1日当たり3040円。

週4日で1ヶ月に48,640円!

自立支援制度の適用を精神保健福祉センターに申請して、自己負担分を軽減しても1ヶ月で26,400円。

医療費の自己負担分だけで33,600円(自立支援法を申請して11,360円)です。

これは、休職している方には大変な負担です。

休職しても家賃や光熱費はかかります。食費もいります。厚生年金や社会保険料の会社負担分まで自分で払わないといけなくなります。

休職しても意外に出費がかさみます。

こうした状況で、SJHSの成果保証型リワークサービスは、大きな意味を持ってくると思われます。

復職を目指すけれども、どうしても復職できるまでには改善しないという方にとっても、大きな助けになる可能性が秘められているのです。

SJHSは、医療機関とは違った独自の復職支援法を開発してこのサービスをはじめたということですが、利益を追求する企業が新しいビジネスモデルを展開する場合、生半可な覚悟ではできません。また、十分な採算が取れること前提としています。

つまり、復職へと導く方法手段として十分に効果のあるプログラムを開発したということが想定されます。

医療機関が提供できるリワークプログラムは、健康保険の枠内でという制約を受けます。

1人当たりの報酬が決まっており、その中で医療機関は、人件費、家賃、光熱費、水道代、リワークプログラムに使用する資材費用などを賄っていかないといけないという、経済的制約です。

経済的な制約から、「十分な治療手段を採用することができない」という事態も生じる可能性があります。

それよりももっと重要なことは、いまだリワークのための確立された方法論はなく、その分野での熟練した医療関係者がいないということです。

このような現状の中で、成果保証型のリワークサービスを商業展開することを決めたということは、SJHSは、自社で独自開発したリワークプログラムに相当自信を持っていると思われるのです。

これは期待できるかもしれません。

一定の成果が得られたのちに、学会等での報告がなされることを期待しています。

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