できないは禁句の世界
できないは禁句の世界
Tag: つれづれに思うこと
そんな世界にいたことを思い出しました。
8月22日のITproメールによれば、「できない」と言ってはいけないというルールを決めている会社は、多業種に渡り幅広く見られるとのこと。
そういた企業の中でも、闇雲に「できないは禁句」とすることなく、できないを分析しているところは少ないそうです。
まだ私が医局というものに所属していた時代、まさに「できない」は禁句でした。
禁句というより、「できない」はありえない、あってはいけないものでした。
いま考えれば滅茶苦茶な話だと思います。
でも、その無茶苦茶な「できないは禁句」にさらされなければ、いまの自分もなかったような気もします。
「無理」は人を育てるのかもしれません。
その一方で、「できないは禁句」という世界で、それを受け入れられなかった仲間を少なからず見ることになりました。
彼らが脱落したといってよいのかは、疑問でしょう。
彼らの方が正常だったのかもしれません。
カメラ用レンズメーカー「タムロン」社長の小野守男氏は、「今すぐには」「今のやり方では」「今の工数では」「今の資金では」「今の人では」の5つの「できない」を現実的な制約として、これらを改革すれば「できる」になるとして、ズームレンズでの大ヒット商品を生み出しました。
合理的分析に基づく「できないは禁句」の好例でしょう。
小野氏のような合理的に「できない」を分析という視点が医局にあれば、接患態度においても技能においても、さらに質の高い医師を生み出すことになるのではないかと思いつつ、ITproメールを眺めていました。