傾聴はこころが伴ってこそ!
2012.01.30
カテゴリ:ブログ
傾聴はこころが伴ってこそ!
Tag: 傾聴 共感
ときにできそうでなくなるときがあります。
傾聴には、共感という治療者の共同精神反応が不可欠です。
共感を伴わない形だけの傾聴には、治療効力が生じないものです。
ただ、この共感を呼び起こすことが難しいときがあります。
治療者が自分の心を無にできないときです。
その最たるものは、逆転移といって、治療者自身の未解決の葛藤を患者さんから揺り動かされる状態です。
精神科医になるまでの修練により、基本的にはコントロールできるようになっています。
しかし、知らず知らずに逆転移が生じてしまうときがあります。
なにか治療がしっくりといかないと感じるときは要注意です。
このようなとき、常に自らに問いかけ、逆転移に気づくようにしています。
逆転移が生じても、気づくことさえできれば、共感をともなった傾聴に立ち返ることができます。
しかし、精神科医も人間。
極端な過労状態や睡眠不足、体調不良時には、逆転移とは別の意味で共感不全が現れそうになることもあります。
こころも体も、診療前日から自己管理して診療にあたらねばなりません。
精進します。