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ウィトゲンシュタイン

ウィトゲンシュタイン

回想のウィトゲンシュタイン:ノーマン・マルコム著:読了。神経をすり減らしつつもウィトゲンシュタインに人間愛を投企し続けたマルコムの著。

フロイトの精神分析に示した敵愾心は、自らのパラノイア的心性を見透かされているような恐怖からのように思える。

パラノイアのような猜疑心と不完全を許そうとしない思春期の心、そして無垢な子供のような純真さを併せ持っていたのだろう。

マルコムから見て不幸な人生であったと思えるウィトゲンシュタインが、死の間際で「僕の人生は素晴らしかった、とみんなに言って下さい」と言い遺したことは、マルコムにとっては不可解であったという。

不可解ではあるけれども、「それはまた、不思議にも人を感動に誘い込む響きを持っている言葉でもある」…そうマルコムは結んでいる。

付き合い辛くはあるが、離れ難い存在であったのだろう。

なんだか論理哲学論考を読みたくなってきた。


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