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共感しうる自死

共感しうる自死

「フランケンシュタイン」メアリー・ウルストンクラフト・ゴドウィン・シェリー著。

本邦ではあまり読まれていないらしいが秀作である。

原題は「Frankenstein: or The Modern Prometheus」。

訳すなら「フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス」というところか?

プロメテウスはゼウスの反対にも拘らず人類に「火」という利器を与えたギリシャ神話の神族。

「火」を与えられた人類は、火から兵器を生み出し自らを傷つける苦悩をも得ることになる。

一方、ゼウスの怒りをかったプロメテウスは生きたまま鳥に肉体を啄ばまれる苦悩に晒される。

ヘラクレスにより解放されるまでプロメテウスの苦悩は続く。

フランケンシュタインは怪物を生み出した天才科学者であり、プロメテウスである。

フランケンシュタインが作った怪物が「火」であり「兵器」に変わりゆくものである。

ヘラクレスの役割を極北を目指す探検者が担っていると言えようか?

このプロメテウスの神話と、基本的欲求の1つである「愛と所属の欲求」に関する葛藤が荒っぽくではあるが上手く描かれている。

さらには「共感しうる自死」というテーマも読み取れる。

興味ある方は読まれたし。

ところでロバート・デニーロの映画「フランケンシュタイン」も原作に忠実で秀逸。

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