Bilief is no choice.
Bilief is no choice.
「わたしにはできない」という信念が全ての可能性を閉ざすことになります。
なぜなら、「できない」ことは「しない」からです。
無理と思ってても試みるのは、0.001%でもできる可能性があるかもしれないと意識下で考えているからです。
意欲が低下した人の多くは、「意欲が出ない間は何もできない」という意識下の信念を持っているようです。
言い換えるなら、「意欲が出たら何でもできるから意欲が出るまで休んでいるのが有用な方策だ」という信念です。
確かにこれ自体は間違ってはいません。
正しい信念です。
急性の身体病の場合は、この信念に従った方略は全く正しいものとなります。
インフルエンザに罹って高熱にうなされているときなど、キツくて動く気にもなれません。
こんな時は、シッカリ熱にうなされて、熱によってウイルスを不活性化し、何もしないで安静にしておくべきでしょう。
しかし、うつ病などメンタル面の疾病で1年以上意欲が低下している方には、この信念が治癒の邪魔をします。
何もしないで単にゴロゴロ無為に過ごしているだけでは、脳は活性化されません。
特に、K.ランバートらの主張するところの「努力と報酬の回路(前頭皮質-線条体-側坐核)」の活性化が起こらなくなって、意欲の回復が期待できなくなってしまいます。
努力して報酬を得ることは進化の淘汰によりもたらされた有益なものであり、脳はそのように機能するよう遺伝的に設計されているのだといいます。
脳の活性化には、手仕事(手と頭を使い成果物を創り出し他者に貢献できたり達成感を持てることをする)、対人的前向きな関係、スキンシップそして運動が有用です。
しかし、慢性の意欲低下が持続して、「意欲が出ない間は何もできない」という意識下の信念に支配されている間は、脳を活性化するような行動を起こすことは決してありません。
即ち、"Bilief" is "no choice".なのです。
当院では、この有害なBiliefへの対処法をご一緒に検討していく治療も行っていますが、これがなかなかの難行なのです。
さらに日々、私も自己研鑽して、対処法を得られやすくするスキルを磨いていこうと思っています。