不登校でもいいじゃないか…?
不登校でもいいじゃないか…?
学校に行けない、社会に出られないということが問題ではないと私は考えています。
問題は、主体的になれないこと、
即ち、
できないことが多くても、
「できる範囲で“できることを努力しなくなっている”こと」
が問題なのだと考えています。
現在の医学水準で、
長期に及んでいる不登校や社会的引きこもりの方を、
高率に回復させる術などないと考えています。
実際、自験例でそのような患者さんで短期に回復された方は稀有ですし、
他験例でも、そのように著効したケースをあまり見たことがありません。
- もし、ご存知の方がおありでしたら、お教え頂ければ、当院を受診された方々にお伝えしたいと思います。
当院での数少ない社会復帰例は、3例くらいでしょうか。
10代後半から不登校となり、当院通院10年くらいで就職された方、
10数年の引きこもり歴があり、転院後2年弱で社会復帰された方、
そして、突然、理由もなく(結局解明されず)受験前に不登校となり、強制登校誘導実験も効果ないまま、しかし、何とか入試は受けられ合格後は登校できた方、
この3例くらいが当院での成功例でしょうか。
もっとも、3例とも自然治癒したとしか言いようのない例でしたが…
私が積極的に治療的影響を及ぼしたとは言えない方々でした。
これらの方々から学べた点は、
当に最初に述べたような構えの打破が3例ともに見られたことです。
すなわち、できないことが多くても、できる範囲でできることを行おうという心の構えが見て取れたのです。
世間並みにすることをできない状態にあっても、
限られた程度であっても、
今使える能力を主体的に活用しているなら、
いつか自らの生き方を生きることができるようになるのではないでしょうか?
きっと、平均的な人生ではないでしょうけれど、
それもまた人生、これもまた人生でしょうか…