動物になる?
動物になる?
マインドフルネスという概念(?)が、近年、精神医療の世界でもてはやされています。
これは、嫌な考えの内容に巻き込まれず、考えていることが今まさに実際に生じている現実ではなく、
ただ今、自分が思考しているだけであるということに気づくこと、
そして、思考は思考として、
紛らわそうともせず、
考えまいともせず、
そのままにしておいて、
ただ思考を観察する!
というものです。
ヒトは、嫌なことを考え出すと、その考えに呑み込まれてしまって、
もう過ぎ去った過去の嫌なことを思い出して考え込んだり、
実際にはまだ生じていない嫌なことを予想して、
嫌なことを考え続けるという特質があります。
しかし、これではどんどん気分が低下して、
最悪の場合、うつ状態やパニック状態に陥ってしまうこことにもなりかねません。
そこで、有効となるのが上記のマインドフルネスです。
しかし、考えれば、これは犬のようになるということかもしれません。
犬は自己卑下しません。
自分の尻尾が短いからと気に病んだり、
自分が生きている意味は何なのだろうかとか悩んで考え込むことはありません。
ただ空腹を満たされて満足し、
優しいご主人さまとともにいることに原初的満足を感じ、
そして、外敵には勇敢に応戦する。
ただそれだけ。
外敵がいなくなれば平常に戻り、
ご主人さまから離れれば、原初的悲しみは抱くでしょうが、いつまでもそれを悩み込み続けることはないでしょう。
人間に比べればうつ病になる頻度は極端に低いのです。
(註;学習された無力感というウツ類似の状態にすることはできるようです)
思考を動物がどれほど持っているのかは分かりませんが、
思考が高度に発達した人間は、思考のフォースの部分だけではなく、思考のダークサイドも発展させてしまったのでしょう。
悪い方に考え続けるという思考のダークサイドを機能させないようにする、
それがマインドフルネスというものなのでしょう。
つまり、マインドフルネスとは、
当に、動物的になることなのかもしれません。
みなさまはどうお考えになるでしょうか…