求めよさらば与えられん!
求めよさらば与えられん!
思考は現実化する!
…なんてことがビジネス書やビジネスマンandウーマン向けのメルマガの中には何度も出てきます。
諺にも、
意思あるところに道はある!
あるいは
精神一統何事かならざらん!
なんてものは周知のものですね。
そして、成功するための方法として、
アファメーションとか
(ポジティブなセルフトークの発展型)
ヴィジュアリゼーションとか
(ポジティブな視覚化)
TPIEとか
(Tice Principles In Excellence)
色々の方法が紹介されています。
いずれも
なりたい自分像を思い浮かべる。
↓
それに関連した今まで気づかなかったことに気づくようになる。
↓
気づくので、それに関連した人やモノやスキルやチャンスに接近するようになる。
↓
そして、それらを活用して行動すると、
↓
なりたい自分に近づいていく。
↓
好循環が生じる。
↓
なりたい自分になれる!
というものでしょうか。
短い言葉で表すなら、
思う
↓
欲する
↓
気づく
↓
接する
↓
実行する
↓
近づく
↓
達成する
とでもなるでしょうか。
確かにこれは真実です。
ただし、正確には、
求めなければ、何も得られない!
というように言い換える方がいいでしょうか。
思っても
↓
欲しない
↓
気づかない
↓
接せない(接「し」ないではありません!)
↓
実行しない
↓
好循環しない
↓
達成できない
ないないづくしで、何も変わることがない停滞状態が続くことになってしまうのです。
これはうつ病などで意欲が長期間低下して、
何も「できない」「したくない」という状態に陥ってしまっている方にも当てはまることかも知れません。
治りたいと思っても、
↓
自分は「本来こういうように生きたかったのだから」「もう一度そのような価値の方向性に向かう活動をしたいから」「少しでもその方向で動き出せるようになりたい」と強く『欲しない』なら、
↓
身近なところに今あることやできること、すれば意外と実感を感じられるようなことに『気づかない』あるいは見ようとしないので、
↓
治癒に向かうために有用な「こと」「もの」「人」「チャンス」に『接しえない』こととなり、
↓
当然、そのようなものに接せないのですから、有用なことを『実行しない』ということになります。
↓
そして、「意欲が少しでも改善して徐々に活動できるようになる」という状態にちっとも近づけず『好循環が生じない』のです。
↓
その結果は、ありたい方向性で歩みはじめるようになるという治癒を『達成できない』となってしまいます。
うつ状態が慢性化して意欲低下が長期間持続している方ほど「チョットだけ努力」しないといけないのです。
うつの時は頑張ってはいけない!とよく言われますが、
それは、発症後1-2ヶ月以内の「うつの急性期」のみのお話です。
病状の程度にもよりますが、
治療開始後の2-4週間は完全休養、寝たきりでも昼前まで寝ていても構わないと思います。
(昼過ぎではなく昼「前」です!ましてや昼夜逆転はいけません!治らなくなります!)
しかし、5週目以降は、僅かでも出来る範囲で活動しはじめる必要があります。
経験からして、
治療を開始して1ヶ月以上たっても何もしていない方は、
治療開始後、3ヶ月程度で回復(通常の8割レベルの調子)することを殆ど望めません。
これは初診時の症状が重いとか軽いとかにはあまり影響されません。
何かできるようになる方は、
「意欲が改善した」から少しでも「できるようになった」
のだと言われるかも知れませんが、
チョットだけ努力して「するようにした」から「意欲が改善した」という方が正解に近いのだと信じています。
意欲低下と治りたいという願望は異なる心的質の軸だと思います。
どんなに重度のうつ状態にあって、著しく意欲が低下していても、
治りたいという願望はくじかれることはありません!
ところが、初期の努力を怠って、うつ状態が何年も何年も続いてしまうと、
治ろうという願望が侵されてきてしまい、
もう何をしても無駄だ…
考えるのもきつい…
寝てるのが一番ラクだ…
というように、
ますます何もしなくなって、治らなくなってしまうのです。
酷な言い方をするなら、
「何もしない」という選択を「するという思考(言語)行動をする」、つまり、
「治らないための行動」を「自らの意志で選択」し、それを「行っている」のです。
「何もしない」という行動をとるということは、
自らの意志により、
「治らない努力」を必死で「行っている」ということになってしまうのです。
うつが慢性化するほど行動することが難しくなり、治りたいという願望までがくじかれてきます。
だからこそ、治療初期の「ほんの僅かな努力」が大切なのです。
うつの治療をはじめられて間もない方はご留意ください!