新型コロナウイルス感染症の急変(重症化)の目印
新型コロナウイルス感染症の急変(重症化)の目印
令和2年4月27日発出の厚生労働省事務連絡
「各都道府県 保健所設置市 特別区 衛生主管部(局)」に対して、厚生労働省(新型コロナウイルス感染症対策推進本部)から、自宅療養やホテルで療養している人が注意しなければならない症状変化リストが公表されました。
厚生労働省が示した【緊急性の高い症状( ※は家族等が確認した場合)】
- [表情・外見]
- 顔色が明らかに悪い ※
- 唇が紫色になっている
- いつもと違う、様子がおかしい ※
- [息苦しさ等]
- 息が荒くなった(呼吸数が多くなった)
- 急に息苦しくなった
- 生活をしていて少し動くと息苦しい
- 胸の痛みがある
- 横になれない。座らないと息ができない
- 肩で息をしている
- 突然(2時間以内を目安)ゼーゼーしはじめた
- [意識障害等]
- ぼんやりしている(反応が弱い) ※
- もうろうとしている(返事がない)※
- 脈がとぶ、脈のリズムが乱れる感じがする
これでは手遅れ?
上で示した兆候の中には、これはもう緊急事態ではないかと思えるほどの重篤な兆候が含まれています。
中でも次の5つは緊急性を要するのではないかと思える兆候です。
- 唇が紫色になっている
- 座らないと息ができない
- 突然(2時間以内を目安)ゼーゼーしはじめた
- ぼんやりしている(反応が弱い) ※
- もうろうとしている(返事がない)※
唇が紫色
チアノーゼという血液中の酸素飽和度(正確には動脈血酸素飽和度や毛細血管内血液酸素飽和度)が低下した場合に生じる現象です。
チアノーゼが認められるときには「息苦しさ」を感じるのが普通です。
「息苦しさ」を感じているときは、体の組織で必要とされる酸素の量量よりも、血液から供給される酸素量が少ないという状態が生じているのです。
普通の状態では、酸素飽和度は97~99%くらいあり、93%より少なくなるくらいからが酸素不足状態です。
さらに、90%を下回る状態になれば「呼吸不全状態」であり相当な息苦しさを感じることになるでしょう。
では、血中の酸素飽和度がどれくらいになればチアノーゼが生じるのでしょうか?
チアノーゼ(ヘモグロビンが濃度15 g/dlで中枢性の場合)は、動脈血酸素飽和度 (パルスオキシメーターで示される)が82%以下となると生じるとされています。
血中の酸素飽和度が90%を切れば呼吸不全状態ですから、82%というのは相当の呼吸不全状態です。
ですからチアノーゼが生じている場合は迷わず医療機関での治療が必要です!
注:チアノーゼについて)
・必ずしも酸素濃度の低下でない場合もあります。
・一酸化炭素中毒などの場合は生じないことがあります。
座らないと息ができない
座らないと息ができないとか、横になると息苦しくて寝ていられないという状態は、医学用語で起座呼吸という状態です。
これも相当に呼吸状態が悪化している兆候です。
この様なときもやはり迷わず医療機関での治療が必要です!
ゼーゼーしはじめた
これも相当に呼吸状態が悪化した兆候です。
すぐに医療機関で治療してもらいましょう。
ぼんやりしている・もうろうとしている
これらの様に意識障害が生じているときは緊急事態です!
この様な場合、家族は迷わず救急車を呼ぶべきでしょう。
この様なことになる前に医療機関での治療を受ける様にしなければなりませんね。