行動分析(1)
行動分析(1)
結果が行動に与える影響
ある人が「ある行動(以下、Bと記述)」を行ったとき生じる「ある結果(以下、Cと記述)」には、次にBを行うかどうかに影響を与えるものです。
この影響の仕方には2つあります。
ある結果「C」がある行動「B」を行った人にとって「よい結果」となったなら、「B」という行動がその後に行われる可能性が高くなることは納得できるでしょう。
反対に、ある結果「C」がある行動「B」を行った人にとって「わるい結果」となったなら、「B」という行動がその後に行われる可能性が低くなります。
たとえば、前を歩いている人が100円玉を落としたのを見て、幼稚園児が拾ってその人に渡した場合を考えてみましょう。
100円玉を落とした人が、すごく誉めてくれて感謝してくれたなら、その子が次に同じような状況に出くわしたとき、また、拾った100円玉を落とし主に持っていく行動が生じる可能性が高まります。
しかしもし、落とし主が礼も言わず、「誉められるためにいいことをしているふりをしてるのは見え見えだぞ!」と言うなり、その人からビンタされたなら、その子供は人が100円玉を落としたのを見ても、それを拾って届けてあげる行動はしなくなるでしょう。
ここで述べた状況のうち、行動(B)が増える確率が高くなる(行動が促進される)ことを強化といい、逆に低くなる(行動が抑制される)ことを弱化といいます。
要するに、「ある行動(B)をしてよいことが起これば、その行動は促進される=強化」「ある行動(B)をして悪いことが起これば、その行動は抑制される=弱化」ということですね。
よいことにも悪いことにも2つのケースがある!
ここで注意しなければいけないことは、よいことにも悪いことにも2つの様態があるということです。
「よいことが生じる」について、まさに
(1)自分にとってポジティブなことが生じるという「よいこと」が生じる場合と、もう1つは(2)自分にってネガティブなことがなくなるという「よいこと」が生じるという2つのケースがあるのです。
「悪いことが生じる」についても同じです。
つまり、「悪いことが生じる」には(1)自分にとってネガティブなことが生じるという「悪いこと」が生じる場合と(2)自分にってポジティブなことがなくなるという「悪いこと」が生じるという2つのケースがあるということですね。
行動が促進されたり抑制されたりする流れ4態
これは次の4つです。
- 良いことが生じるからする
- 悪いことがなくなるからする
- 悪いことが生じるからしない
- 良いことがなくなるからしない
これら4つの流れによって動物は行動します。
ただ人間には動物にはない高度な思考というものがあるため、高い志や醜い欲求により、苦痛(すぐに悪いこと)が生じても、苦痛な行動をより行うということが生じます。
思考は行動原則を打ち破るための唯一のチカラであるといえるでしょうね。