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認知行動療法よりも効果あり?の自助療法「ザ・ワーク」

認知行動療法よりも効果あり?の自助療法「ザ・ワーク」

画像の説明

効果絶大?バイロン・ケイティの「ザ・ワーク」

下手に認知行動療法を行うよりも効果があるかも知れない実用的自助療法がバイロン・ケイティの「ザ・ワーク」です。認知行動療法よりも圧倒的に実行しやすい(私見)のではないでしょうか。

さらにザ・ワークを実行すれば、新世代の認知行動療法であるACT(Acceptance and Commitment Therapy)の認知フュージョン[思考と事実を混同すること]についても知らず知らずのうちに体得できるようになっています。

最初は混乱するでしょうけれど、バイロン・ケイティの著書「ザ・ワーク」を読み込んで行ってみて何度か繰り返してみると、どんな嫌悪感情でも処理できるのでは?って思えてしまいます。何百回も行えば意識下で自動実行できるようになるはずです。

脳は現実を歪[ゆが]めるという事実!

脳には「インタープリター」呼ばれる左脳の部位があり、現実とは必ずしも一致しない物語を作り上げる傾向があります。また、左脳は状況を完全に把握[はあく]していると自己に信じ込ませようとして、物語を作り上げているともいいます(マイケル・ガザニガ)。

この自分で作ってしまっている解釈、すなわち自分の脳に騙[だま]された思い込み[認知フュージョン]に気づくことが大切なのです。変えるのではなく気づくだけでいいのです。

思い込みを変えようとしない「ザ・ワーク」

「ザ・ワーク」は、思い込みを変えたり克服したり捨てるのが目的でするものではありません。特定の考えが、どのような結果をもたらすかを自分で実感するためのものと言えるでしょうか。「考えから見る」のではなく「考えを見る」というACTの考えに一致するものだと思います。

あるがままの現実を認めず、そうであるべきはずだと望むのは「猫にワンと吠えるべきだと望むこと」と同じとケイティは強調しているのです。残りの人生を、猫にワンと吠えるよう要求して過ごすのでしょうか?私の猫はワンと吠えるべきである!と思い続けて人生を生きるつもりですか?

「べきである」「べきでない」「ねばならぬ」という考えは、現実が違うものであって欲しいということの裏返しでしょう。しかし、現実に異を唱えることは「苦悩を生むことに」他[ほか]なりません。

現実と願望が戦えば100%願望が負けるでしょう。自分がどう思おうと、日は西から上るわけではありません。起こって欲しくないことが起こった。その現実を変えることは出来ないのです。ただ、あるがままに受け入れて「そのままにしておく」、ただ観察するだけにしておくことです[サイト管理者の補筆]。

あなたは神に挑[いど]もうとしていませんか?

ケイティは言います。世界にはたった3つの領域しかないと。

それは、

  • 私の領域
  • 相手の領域
  • 神の領域
    です。

ストレスは頭の中で知らず知らずに自分の領域から相手の領域に侵入したときに生じます。

対人関係療法でストレスとされる構造として、他者に対して自分への役割を期待しすぎて、その期待を裏切られることで相手を恨むというストレスがあります。

例えば恋人に対して「恋人はいつ如何なるときにも私の言葉に直ぐさま応答すべきである!」というような役割を無意識に期待しているようなケースを考えてみましょう。

このような役割を恋人に期待していた場合、恋人がテレビに夢中になっていて、こちらの何気ない問いかけに答えなかったとき大いなる空[むな]しさと怒りが生じて来るでしょう。

しかしこれは先に述べたように、恋人に対して「〜〜すべきである」というような「相手の領域」にこちらが侵入していることになっているのです。「相手の領域」に侵入しているから空しさを感じたり腹が立ったりしてしまうのです。

ましてや、「この人はいつもこうだ!どうして私の気持ちがわからないのかしら!」なんて思ってしまうとますます空しさと怒りが倍増してしまうでしょう?この「どうして」というのが実は「神の領域」に侵入していることになるのです。どうしてなんて自分にも相手にもその他の誰にもわかるものではありません。誰にもわからない、すなわち神様にしか分からない「神の領域」の属するものなのです。

ところで、自分の領域にと止まる考え方というものを考えてみましょう。恋人に対して思うのは「〜〜して欲しいな」になります。自分の領域にと止まる考え方は「して欲しい」けど今は「してもらえなかった」「でも、するしないは相手の領域であるから相手がどう行動しようが相手の自由だもの、まあ仕方ないか・・・」と言った具合ですね。空しさと怒りの程度はかなり少なくなると思いませんか?

「すべきである」のマインドセットから「して欲しいな」のマインドセットに変わることで、自分に生じる苦悩の程度が実際に大きく減じることになるのです。

脳が勝手に作り出す「ストーリー」というものの検証を!

現実であると無意識に信じている考えをストーリーと呼びます。ストーリーとは、検証していないのに「重要である」とか「真実である」とかの意味付けしている考えのこと(メタ認知的信念)です。チョットしたストーリーが知らず知らずに大きくなって、人生についての考え方にまで膨らんでいきます。

このストーリーと言われものを果たして「それは本当だろうか?」と検証して行くことで、ストレスに満ちた生き方を穏やかな生き方に変えて行くことができるのです。

いかなるストレスも自分を自由へと導いてくれる贈り物であるという見方を身につけましょう。ストレスを感じている状況や関係が、実は「自分の思い込みから生じているのではないか?」と自らに問いかけるという考え方を身につけるということですね。

予告

次に「ザ・ワーク」の具体的なやり方について記事にしたいと思います。興味ある方は楽しみにしておいてくださいね^ - ^



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