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お薬に頼らない不眠症の治療:不眠症の認知行動療法

お薬に頼らない不眠症の治療:不眠症の認知行動療法

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画像の説明

不眠症の対処法は大まかにいうと「心理教育」と「行動療法」および「認知の再構成」からなっています。以下に具体的な説明を行なっていきます。

不眠症の行動療法

行動療法は「刺激制御法stimulus control」と「睡眠制御法sleep restriction」から構成されます。

刺激制御法

以下に挙げる5つの原則が刺激制御法の柱になります。

(1)睡眠スケジュールの一定化

  • いつも同じ時間に起きる!
  • 休日も平日から1時間以上は遅く起きない!

(2)昼寝の禁止

  • 昼寝は昼食後の2〜30分以内!
  • 午後3時以降は昼寝しない!

(3)ベッドでは寝ること以外はしない

  • 正確にはベッドでは寝ることと妊活行為以外はしない!
  • 読書も禁!
  • スマホなどもってのほか!(ブルーライトで眠れなくなる)

(4)ベッドでは悩まない

  • ベッドの中で反省や後悔、心配などしない!
  • 心配時間に考える!
    -午後7時などに心配時間というものを作る
    -考え始めたら「あっ!また考えているぞ!」と考え始めていることに気づく
    -心配するという思考の行為を「明日の心配時間に心配しよう」と先送りする
  • それでも考えてしまうなら思考をそのままにしておく
    -再び考えていることに気づく
    -思考を雑念とラベリングする
    -雑念、雑念と心で2〜3回つぶやき
    -目に見えるような棚をイメージして「雑念」をその棚におくイメージをする
    -「戻ります」と心でつぶやいて
    -呼吸の感覚に意識を移す

睡眠制御法

これは乱暴に言うと睡眠時間を削って睡眠をよくする方法と言えるでしょうか。

1)20分眠れないときはベッドから出る

  • スマホやテレビなどブルーライトを発するものを見ない!
  • 区切りの良い雑誌などを読むとかリラックスできる音楽を聴くなどして過ごす
  • 眠気がくれば直ぐにベッドに入って寝る
  • また20分ほど眠れないならベッドから出て同じことを繰り返す
  • 日中に眠いならベッドから出るのを「35分」くらいに長くする
  • 眠気が全く来ないならベッドから出るのを5分ほどに短くする

2)1週間は1時間ほど布団に入る時間を遅らせる[1)とは別の睡眠制御法です]

  • 1週間しても眠りが悪いなら、次の週はさらに1時間ほど布団に入る時間を遅らせる
  • それでも眠りが悪いなら、次の週はさらに15分ほど布団に入る時間を遅らせる
  • 眠れるまで同様に睡眠時間を短くしていく
  • どこかで必ず眠れるようになる
  • 眠れるようになれば日中の眠気が出ないようになるまで15分ずつベッドに入る時間を早めて戻して行く

睡眠環境を整える

  • 眠りやすい暗さにする
  • 全くの無音〜ホワイトノイズで眠りやすくする
  • 室温は23℃未満が良い

生活習慣の改善

  • 夕方の運動(寝る前の1〜1.5時間前にし終える)など日中の活動性を高める
  • 寝る前のチーズやミルクなどトリプトファン(睡眠ホルモンのメラトニンの材料)を多く含む食品の摂取

不眠症への認知の再構成

眠れないことへの「役に立たない思い込み(認知)」の修正

1)不眠の悪影響を過剰に気にすることの裏にある無意識の思い込み
眠れないことを過剰に気にすることの裏には、次のような無意識の思い込みが隠れていることが多いようです。

  • 「満足した眠りが得られていない」ことを「全く眠れていない」のだと勘違いする思い込み
  • 「眠れていない」から「疲労が回復しない」という思い込み
  • 「眠れない」と「日中不調になる」だろうという思い込み(不調予言)
  • 「眠れない」と精神がおかしくなるとか体の病気になるという思い込み(破局視)
  • 「不安」があるのは「眠れない証拠」であるという思い込み

2)役に立たない無意識の思い込みへの対応法

  • 心配ノートを作って分析する
    -いま考えることは不眠には有害であると自分に言い聞かせる(自己教示)
    -だから明日の心配時間に考えようと自己教示する
    -心配時間に問題をピックアップする
    -対応方法を具体的に考える
    -問題解決の手順をスケジュール化する
    -手順に従い実行する
    -対処不能なことは考えるだけ無駄どころか有害であると自己教示する
  • 最悪分析を行う
    -最も恐れている最悪の結果とは何かを考え書き留める
    -それは本当に100%そうであるかを考えてみる
    -最悪の結果以外に生じる結果とはどのようなものがあるかを列記する
    -それぞれの結果が何%くらい生じる確率があるかを数値化する
  • 不眠によって生じていると思っている不調の分析
    -その不調は不眠のためか?
    -「ふらつき」は睡眠無力症という普通の現象である
    -「昼食後の眠気」はポストランチディップという正常のものである
    -眠れなければ仕事ができないといことはない(実際にかなり仕事をこなせるはずです)

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