睡眠薬で「早死に?」「うつ?」「ばい菌に弱くなる?」
睡眠薬で「早死に?」「うつ?」「ばい菌に弱くなる?」
カリフォルニア大学(米国)の大規模調査によると、睡眠薬を長期に服用服用すると「早死にする」リスクが25%高まり、「うつ病」になるリスクが2倍ほどにもなり、ウイルスや細菌に感染して病気になるリスクも44%も増えることが分かったとか。
睡眠薬は主治医の指導のもと適切に使用すれば、服用しないで眠れないより服用してぐっすり眠る方がよほど健康にはいいと思います。しかし、漫然と使用すると睡眠薬を手放せない睡眠薬依存の状態となってしまうリスクは大きいものです。
この睡眠薬への依存状態になってしまうと、何年もあるいは何十年も睡眠薬を服用し続けることにもなりかねません。このような長期の睡眠薬服用に警鐘を鳴らす結果を示したのが今回の調査研究です。
カリフォルニア大学の調査では、毎日睡眠薬を服用している人と服用をしていない人を比べたところ、睡眠薬を毎日服用している人は、死亡リスクが約25%高まるという結果が得られました。その中で特筆すべきは、
- 過量に服薬して死亡する
- 朝になると死んでいた
- 自殺
などが目立っていたとのことです。その他、
- 感染症になる
- ガンになる
- うつ病になる
- 自動車事故を起こす
- 落下事故を起こす
などのリスクも高まったようです。そして、寝つきをよくする短時間作用型の睡眠薬の方がそれらのリスクが長時間作用型の睡眠薬よりも大きかったとい結果でした。
睡眠薬が体に悪い理由
睡眠薬を長期に常用すると、心を静めてストレスの影響を緩和する脳部位にあるスイッチのようなもの(GABA受容体)が少なくなってしまうことが生じ、そのためストレスを処理が遅れてうつ病などになりやすくなることがあるのでしょう。
また、睡眠剤により免疫機能が弱められて 感染症やガンになりやすくなることも想定されています。
参考文献
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27303633/
Review F1000Res.2016 May 19;5:918. doi:10.12688/f1000research.8729.3.eCollection 2016.