CGRP関連製剤ガルカネズマブ(商品名エムガルティ)が片頭痛治療で大注目?
CGRP関連製剤ガルカネズマブ(商品名エムガルティ)が片頭痛治療で大注目?
CGRP関連製剤「ガルカネズマブ」の使用で片頭痛患者さんの半数例で片頭痛発作が半減し、75%発作が減少した方も4分の1おり、片頭痛が消失した例も9%あったというのです。さらに、実生活での効果として「労働生産性の低下」「日常生活の支障度」に有意の改善が見られたと言います。期待の治療薬ですね!発売は2021年4月26日です。
CGRPとはカルシトニン遺伝子関連ペプチドのことですが、恐怖記憶の消去にも関係するということも分かってきているというものの私にもよく分からないので、難しいことは無視して効果のある片頭痛治療薬だということだけ頭に入れておくことにしましょう^ - ^
片頭痛の症状とは?
片頭痛の症状には次のようなものがあります。
- 頭痛に先立ち目にチカチカキラキラした光が見え視野が狭くなる
- 片側ときに両側がズキンズキンという激しい頭痛
- 頭痛の最中に頭の位置を変えると痛みが増強
- 発作の持続時間は4~72時間
- 悪心・嘔吐
- 光過敏
- 音過敏
症状の重い人は全く動けず寝込んでしまうこともあるようです。
片頭痛治療薬の問題点とガルカネズマブの解決点
片頭痛の治療には片頭痛発作を和らげるお薬と、片頭痛の発生を予防するお薬があります。けれど、それらのお薬の効果は明らかに不十分なのが現状です。また、それらのお薬の副作用で服薬を続けられない人も結構いるのも事実です。
この効果率と副作用の問題をかなり改善できると期待されているのがCGRP関連製剤です。CGRP関連製剤は、有効率が高く効果の持続が長いというところが強みでしょう。また、脳内にはほとんど移行しないので眠気も生じにくいのも嬉しい点です。
ただし、欠点は服用薬ではなく皮下注射であるということでしょうか。ガルカネズマブは1ヶ月に1回注射せねばなりません。毎月注射しないといけないなんて嫌ですね。片頭痛で苦しんでいる方には症状から解放されるなら月1回の注射なんて苦痛ではないでしょうけど。
片頭痛の発生メカニズム「三叉神経血管説」とは?
次のようなメカニズムが有力視されています。
低気圧や湿度の変化や光、ストレスなどによる刺激
↓
CGRPなどの神経ペプチドが放出
↓
CGRPの過剰
↓
三叉神経周囲に炎症
↓
疼痛の神経信号が脳に伝達
↓
痛みを感じる
ガルカネズマブ作用メカニズム
片頭痛発作が生じている時には、上記のように脳の中に「カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)」という痛みの原因物質が増加していることが分かっています。このCGRPにくっ着きCGRPの働きを妨害して片頭痛発作を軽くするのがガルカネズマブです。