うつ病のメタ認知モデルとは?=再掲=
2021.06.28
カテゴリ:うつ病
うつ病のメタ認知モデルとは?=再掲=
「うつ病」の発症過程を分析していくと、いくつかの共通した心理メカニズムがあることに気づかされます。それは以下のようなメタ認知の思考プロセスです。
嫌なことがある
↓
これは
- 「危険だ!」
- 「害になる!」
↓
危険は
- 「対処すべきだ!」
- 「対処できないものは避けねばならぬ!」
↓
対処するためには
- 「対処方法を考えなければならない」
- 「対処できるかどうか考えなければならない」
↓
だから「考えることは役に立つ」
↓
「考え続ける」という思考の行動が促進され考え続ける
↓
2つの思考様式がある
- (1)問題解決技法的な考え方
—「具体的対策への行動計画」を問題解決的に考える
—「考えても解決にならないから取り敢えず置いておこう」
—「そして、今するべきことをしよう」
と考えるのはいい。しかし、多くの場合、
- (2)「考えるために考える」状態に陥る
—「どうしてこうなったのか?」
—「あれがいけなかったのか?」
—「これが悪かったのか?」
と考えてしまいます。
- (1)のように考えるというような考え方をする人は病気にならない
- (2)のように考えを「運用」する人は病気になる
うつ病にならない方法
「役に立たない考えの運用をしている」ことに気づいて、(1)のように機能的に考えるか、目の前のするべきことに注意を移行することができれば「うつ病」にならないで済むようになります。このようなことに気づき、機能的に思考を運用できるようにすることです。
その手段として
- 「注意訓練」
- 「デタッチトマインドフルネス」
が有用な手段となります。これらの技法を練習実行しながら「思考の運用様式」を修正していくのがメタ認知療法という治療方法です。ただし、日本ではほとんど行なっているところはありません。
しかし、不適応的で役に立たない思考の運用をしていると気づくだけでもある程度のうつ病予防効果や改善効果が期待できます。
参考書籍
メタ認知療法に興味のある方は、如何に書籍を参考にするといいかも知れません。