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睡眠薬を飲み始めた人は10年後も飲んでいるのか?

睡眠薬を飲み始めた人は10年後も飲んでいるのか?

テルアビブ大学(イスラエル)の研究者が、2000~2005年の6年間に催眠薬を初めて使用した人およそ23万人以上を10年間にわたり追跡し調べたところ、約2割の人が10年経っても、それぞれの睡眠薬の「最大投与量を年間で180日以上(1日服用量×服用日数)」使用していたということが分かりました。つまり、睡眠薬を使いはじめた人の約2割が10年後も睡眠薬を止められていないのです。

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睡眠薬

ベンゾジアゼピン系(日本で最も多く使われている睡眠薬の種類)の睡眠薬の場合

「最大投与量を年間で180日以上(1日服用量×服用日数)」というのは、例えば、1日2錠が最高投与量の睡眠薬の場合、2錠×180日=360錠/年となり、「1日1錠をほぼ毎日服用」しているとか「1年のうち180日は1日2錠服用」しているとか、「1日1錠を180日+1日2錠を90日服用」しているとか等々ということを意味しています。

また、約3分の2の睡眠薬服用者が、10年後も毎日ではないものの睡眠薬の服用を継続しており、200人に1人は定められた投与量の2倍近くの量を服薬しているということも分かりました。

Z薬(ジードラッグ)の使用について

Z薬(ジードラッグ)は、従来のベンゾジアゼピン系睡眠薬に比べて副作用が少ないとされ、ベンゾジアゼピン系睡眠薬より使用が推奨されている睡眠薬です。ところが、このZ薬(ジードラッグ)はベンゾジアゼピン系睡眠薬よりも長期使用のリスクが高いことも分かりました。

私の考え

今回紹介した報告の内容は、一度、睡眠薬を使ってしまうと、睡眠薬を全く使用しなくて良くなる人は全体の3分の1しかいないということを示しているということでしょう。ですから、不眠には睡眠導入剤をできるだけ使用せず、依存性のないお薬で治療を行うことが大切だということになります。依存性のない睡眠を改善するお薬はいく種類か日本でも使用することが可能です。不眠にお薬を使うときは、これらの依存性のないお薬から服用するようにするのがいいですね。

情報源

Yochai Schonmann et al,Chronic hypnotic use at 10 years-does the brand matter?,European journal of clinical pharmacology. 2018 Dec;74(12);1623-1631. doi: 10.1007/s00228-018-2531-4.

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