嫌な体験は良い体験より3倍強力?
嫌な体験は良い体験より3倍強力?
カリフォルニア大学の心理学教授ソニア・リュボミアスキーによれば、嫌な(ネガティブな)体験は良い(ポジティブな)体験の3-5倍の心理的影響力があるとのこと。嫌な体験の3倍以上の良い体験をしないと嫌な体験の影響を中和できないということですね。
体験の3種類
体験には大きく分けて良い体験と嫌な体験、そして良くも悪くもない中性的体験の3種類の体験があります。この中で一番多いのは、良くも悪くもない中性的体験です。良い体験なんてそうそうあるものではありません。それに対して嫌な体験は結構あるものですね。でも起きている時間の大半を占めるのが良くも悪くもない中性的体験です。ただ、中性的体験は記憶に残らないので、中性的体験が生じているということに気づかないのです。
嫌な体験が3倍の影響力があある理由
これはズバリ、嫌なことがあると、それについて考え続けてしままうからなのです!ある嫌なことが生じて嫌な思いをすると、普通の人は、何でこんなことが僕に起こるんだ!なんて嫌なやつなんだ!などと嫌なことが終わっているのに、嫌なことを思い出して腹が立ってきます。
ことは終わっているのに嫌なことを考え続けてしまうことで、嫌なことから受ける悪影響(ストレス)が持続することになるのです。今を大切に生きずに嫌な過去を生きることになってしまい、今を楽しむことが出来なくなってしまのですね。
ハッピーになるには今を大切にして良いこと探しを!
お釈迦様が言いました。生じたことが苦悩ではなく、生じたことをどう解釈するかによって苦悩が生じるのだと。これはまさに認知療法と同じ考え方ですね。生じたことが同じでも、ネガティブに捉えるかポジティブに捉えるかによって気持ちも変わってくるものです。それだけではなく、些細で記憶に残らないような良いことに注目することで、ポジティブなく出来事を増やすことができます。ポジティブなことが増えると気持ちはハッピーに向くものです。
何も意識しなければ記憶に残るのは、嫌なことかもの凄く良いことかだけです。特に嫌なことはちょっとした嫌なことでも記憶に残って、後からグジジグ考えて腹を立てたり落ち込んだり不安になったりします。ですからハッピーになるためには、些細な良いことを意図的に探し出し、注目して思い出し、そしてそれに感謝の念を持つことが大切になるのです。良いこと探しをして、些細な良い出来事に運命の善意を感じるられるようにマインドをシフトするということでしょうか。
ソニア・リュボミアスキー
カリフォルニア大学リバーサイド校(米国)の心理学教授。ポジティブ心理学の研究者。「永遠に続く幸福の可能性」が研究テーマ。
情報源
『人生を「幸せ」に変える10の科学的方法』+私見