精神症状に効く漢方薬とは?
2021.11.12
カテゴリ:漢方薬
精神症状に効く漢方薬とは?
日本で発展した漢方薬は多くが急性期の症状を緩和する作用を持っています。ですから一般にイメージされているように「長期に服用しないと効果が出ない」というようなことはありません。メンタル面の症状にも直ぐ効果が得られる漢方薬も沢山あります。ここではメンタル面の症状に効果のある漢方薬について書いてみました。
抑肝散(よくかんさん)
「神経の高ぶりをおさる」と同時に「筋肉のこわばりをゆるめる」作用のある漢方です。
次のような症状に効果があります。
- イライラ
- 認知症の興奮性の問題行動
- 不眠
- 夜なき
この漢方が向く人
- 虚弱体質で神経がたかぶりやすい人
- 疳の強い子供
食欲不振や吐き気、嘔吐や下痢などをよく起こす胃腸の弱い人には向きません。
香蘇散(こうそさん)
「気の不足を補う」漢方です。
次のような症状に効果があります。
- 不安による不眠
- 意欲低下
この漢方が向く人
- 食が細い
- 胃腸が弱い
酸棗仁湯(さんそうにんとう)
「精神や神経の興奮や緊張を和らげる」漢方です。
次のような症状に効果があります
- 浅眠
- 不眠による疲労感
この漢方が向く人
- 体力があまりない人
- 繊細な人
- 心身が疲労している人
柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
「精神を安定させる」作用のある漢方です。
次のような症状に効果があります
- 不安
- 不眠
- みぞおちに生じる動悸
- 便秘
この漢方が向く人
- 体力が中くらい以上の人
- 肋骨下部が張り胸苦しさのある人
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
気分を「リラックス」させ、咳や吐き気をおさえる作用のある漢方です。
次のような症状に効果があります
- 不安
- 気分がふさぐ
- のどのつかえ異物感
- 胸のつかえ感
- 吐き気
この漢方が向く人
- 心身ともに疲れやすい
- 冷え症で繊細な人
加味帰脾湯(かみきひとう)
「体力をつける」とともに「精神を安定させる」作用が ある漢方です。
次のような症状に効果があります
- 動悸
- 疲れ
- イライラして不安
この漢方が向く人
- 精神症状の強い人
- 体が弱く繊細な人
- 貧血気味の人
- 微熱や熱感をともなう人
柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
体の「熱や炎症を抑え」て「神経の疲れをいやす」漢方です。
次のような症状に効果があります
- 動悸
- 不眠
- 疲労感
- 発汗
- 喉の渇き