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オミクロンはインフルエンザレベルか?

オミクロンはインフルエンザレベルか?

さる1月11日、沖縄県疫学統計・解析委員会は新型コロナウイルス感染の発生動向報告を発表しました。その報告から推定されることは、オミクロン株は高齢者には危険だが比較的若い人にはインフルエンザレベルの病原性ということのようです。

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ウイルス

新規陽性者(宮古・八重山医療圏:大半はオミクロン株と思われる)714人について、中等症I(息切れ+肺炎所見あり)であった人の割合が2.4%、中等症II(酸素投与+呼吸不全あり)の人は1.0%、重症(人工呼吸管理が必要)は0%であったと報告されました。「全体で見ると96.6%が軽症もしくは無症状」であり、「80歳未満に限れば97.9%が軽症もしくは無症状」であったということです。なお、60~79歳の人では「93.3%が軽症もしくは無症状」でした。

ところが80歳以上の高齢の中でもさらに高齢の人についてみると、7割近く(69.3%)の人が中等症だったのです。幸いにも重症者はいなかったものの、80歳以上の感染者のうち約3割の人が酸素吸入が必要な状態となっており、デルタ株ほどではないにしてもオミクロン株も高齢者にとっては危険なコロナであることには変わりないと言えそうです。

感染者の年齢別割合

沖縄県全体については、

  • 20歳代が50%
  • 30歳代が12%
  • 10歳代が12%

と若い人の割合が多く、40歳未満で約7割となっていました。

ワクチンの感染予防効果

感染者のうち新型コロナワクチン接種歴は、

  • 2回接種完了者(2回接種後2週間以上経過した者)が66%
  • 部分接種者(1回接種者および 2回接種後2週間を経過していない者)が6%
  • 未接種者が28%

であった。

沖縄県におけるSARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)症例の実地疫学調査報告(速報掲載日 2022/1/11: https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2488-idsc/iasr-news/10885-504p01.html)によれば、

オミクロン株感染での症状について

オミクロン株感染者の96%に症状が認められ、症状の内容は、

  • 37.5℃以上の発熱のある人75%
  • 咳があった人60%
  • 全身倦怠感があった人52%
  • 咽頭痛があった人46%
  • 鼻水・鼻詰まりがあった人38%
  • 頭痛があった人33%
  • 関節痛のある人25%
  • 呼吸困難があった人8%
  • 嗅覚・味覚障害があった人2%

であった。なお、重症となった人や死亡した人はいなかったとのこと。

潜伏期間

感染時期を特定できた例のうち、有症状者の潜伏期間は中央値で3日間で、その範囲は2〜5日間であったという。

ワクチンの感染予防効果

オミクロン株の感染者のうち半数〜3分の2が新型コロナワクチンを既に2回接種していたということから、ワクチンを2回接種していても安心できないことが分かりました。接種を完了していても「マスク着用」「手指消毒」「三密(密集・密接・密閉)を避ける」「症状を自覚した際には出勤や会食を控える」「早期の受診」などの感染予防策の徹底が必要であると考えられます。

オミクロン株感染の後遺症

オミクロン株による後遺症については、現状では何も分かっていません。SNSなどで医療関係者を含む色々な人が、新型コロナウイルス感染後の後遺症について恐ろしいものだとの情報を発信しているものの、そのほぼ全てがデルタ株を含むそれ以前の株による後遺症についてです。それらの情報を見た一部の人(結構多い?)が、「オミクロンより前の株の後遺症の怖さ」と「オミクロン株の感染性の高さ」をリンクさせて不安を増幅させているようです。今後の調査を慎重に見極めていくことが必要です。

私見

通例、感染性が高くなれば病原性は低くなるものです。ウイルスが感染するべき相手を滅ぼしてしまえば、ウイルスもまた生き残ることができないからですね。新型コロナウイルスは、感性の高いインフルエンザ化するとわたしは思っていますけど、どうなるか観察中です。

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