男性ホルモンは「うつ」に効くか?
2022.02.07
カテゴリ:うつ病
男性ホルモンは「うつ」に効くか?
私は「うつ状態」の患者さんに運動と筋トレを勧めることが多いです。何故なら運動とくにリズム運動は脳内のセロトニンを増やすことで抗うつ薬と同等の改善効果のあることが分かっており、筋トレで筋肉を増やせば男女を問わず男性ホルモンが増えて活力が増すことで意欲の改善が期待できるからです。しかし、男性ホルモンについては、学術的なレベルで抗うつ効果が確認されてはいません。そこで実際にはどう考えられているのかを調べてみました。
男性ホルモンがうつ病にどのような作用があるのかを調べた論文によると、
- 男性ホルモンレベルと気分状態の間に一貫した関係はない
- 男性ホルモンが低下している人はうつ状態になりやすい可能性はある
- 慢性のうつ状態では男性ホルモンの低下を引き起こす可能性がある
- 多くの研究で男性ホルモンは抗うつ薬の役割を果たさないとされている
私見
学術的には男性ホルモンは抗うつ薬の役割を果たすことは証明されていないようです。ですけど、筋トレによる男性ホルモンの増加and/or筋トレそのものは、臨床経験からうつ状態の改善効果があることは確かなことであるとの印象を持っているのですが・・・
参考資料
- Testosterone and depression in men., Revital Amiaz et al. Curr Opin Endocrinol Diabetes Obes. 2008 Jun.
Show details. - Low Testosterone and Depression: Is There a Connection? Medically reviewed by Timothy J. Legg, PhD, PsyD — Written by Erica Roth — Updated on August 20, 2018. ( https://www.healthline.com/health/low-testosterone/depression )
- Testosterone and Depression: What’s the Connection?( https://www.menstclinic.com/blog/testosterone-and-depression-whats-the-connection )