高次脳機能障害や注意欠陥多動障害への対処法
高次脳機能障害や注意欠陥多動障害への対処法
高次脳機能障害にしても注意欠陥多動障害にしても、器質的あるいは機能的障害によるものである違いがあるにしろ、脳の情報処理不全によって思考や行動の問題が生じています。これらの脳の情報処理障害は一朝一夕には改善することはできません。ですけど、現在ではスマホなどいろいろな機器を使って傷害された脳機能を補うことができる様になっています。さらに、自分の特性を知って、それに対するマインドを変えることである程度は問題を解決することができるものです。ここではその簡単な対処法について記事にしてみました。心当たりのある方は試してみられてはどうでしょうか?
記憶障害への対策
現在では、スマホなど各種電子機器の活用が考えられます。すべき用事に気づきやすくしたり、思い出せるように、自分に合った活用法を考えるのです。
- スケジュール機能
- アラーム機能
- メモを取る
- メモやスケジュールを確認を習慣づける
注意障害への対策
次のような工夫が考えられます。
- ひとつの作業をずっと長くしない
- いろいろな作業を組み合わせて飽きないようにるす
- 同時に複数の作業をしない
- 音や人などに邪魔されない環境で作業する
遂行機能障害への対策
これには次のような配慮が役に立つでしょう。
- 毎日の行動をパターン化する
- 単純な仕事から慣らしていく
- 慣れるにつれて仕事内容を複雑にする
- 日常生活や仕事内容をマニュアル化する
- 手順を確認しながら繰り返す
社会的行動障害への対策
これに対する対処は自分では難しいので、協力者を確保しておく必要があります。
- 怒りが爆発しやすいことを重要な人には理解してもらっておく
- 説教したり説得したりしないようにしてもらう
- さりげなく話題を変えてもらう
- 場所を離れるよう誘導してもらう
- 欲求を抑えられないことを理解してもらっておく
- 自分を含めて家族などの周囲の人と利用する行動チェックリストを作っておく
- リストを確認するよう誘導してもらう
- 自分でもリストを確認して自己管理できるよう訓練する
私見
脳の情報処理を再編(再統合)するためには、治したい思考や行動に気づいて意図的に思考や行動を論理的に変えようとして変えていくことを何百回何千回何万回と修正していく必要があります。完全に修正することはできないにしろ、意識して変える訓練をしなければ何も変わらないままに終わってしまいます。昔、私がまだ整形外科医をしていた頃、何らかの障害で肘を曲げる筋肉が動かせなくなった人に、肘を伸ばす筋肉を肘を曲げる筋肉がついているところに付け替える手術をすると、肘を伸ばそうとすると肘が曲がってしまうことになってしまいまいます。当然、こんな時、肘を曲げようとしても曲げる筋肉は麻痺しているので肘を曲げることはできません。ところが、訓練していると肘を曲げようとして肘を曲げられる様になり、また、肘を伸ばそうとして肘が曲がることもなくなるのだと上級医師に教えてもらったことがあります。この例は、脳の情報処理が訓練により徐々に再編(再統合)されることの証明になると考えています。脳ってすごいですね!