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脳波で「うつ病」を診断できるって本当?

脳波で「うつ病」を診断できるって本当?

2022年5月26日、東北大学は、社交性の減少した「うつ病や自閉スペクトラム症モデルマウス」に特徴的な脳の活動を発見と発表しました。マウスの脳に電極を埋め込み脳波を測定したところ、前頭皮質や扁桃体という脳の部位で特徴的脳波パターンを観測したというのです。うつ病などの診断や治療にも将来的には応用できる可能性があるというので、記事にしました。興味あるは読んでみてください^ - ^

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脳波

結果の概要

うつ病(様状態の)マウスと自閉症(様状態の)マウスでは、

  • 社交性をほとんど示さない
  • 下記の脳波パターンがほとんどない

正常の社交性のあるマウスでは「前頭前皮質」と「扁桃体」において

  • 4-7 Hz の周 波数帯の脳波が減弱
  • 30-60 Hz の脳波が増強

などの状態にあることが分かったとのことです。

それだけでなく、遺伝子改変技術と光操作技術を用いてうつ病マウスや自閉症マウスの脳波パターンを正常化させると、

  • 社交性が回復する

という結果が得られたとしています。

私見

脳波でうつ病や自閉症を診断できると、現在の様に診察による医師の主観的判断ではなく客観的データでの診断が可能ということになります。医師による診断の差がなくなるという意味で大きな研究成果と言えるでしょう。でも、脳波の測定には、脳波計に影響を与えるノイズを遮断できるシールドルームとノイズカットフィルター等の設備が必要となります。しかし、こういった設備のあるクリニックはほとんどないというのが現実です。脳波室というインフラの整備に多額の費用がかかるうえ、脳波の測定に手間がかかり、脳波測定のニーズもほとんどなく、かつ、手間の割に診療報酬が低いため普及していません。脳波室などの設備がいらず、頭に被せるだけで簡単かつ正確に脳波を測定できる装置ができると実用運用されるかも知れませんね。

情報源

Prefrontal-amygdalar oscillations related to social behavior in mice. Nahoko Kuga, et al., Journal: eLife DOI:10.7554/eLife.78428
https://elifesciences.org/articles/78428

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