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dokusyo/2015-09-02

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Tag: 読書 書評

「行動工学とはなにか」

B.スキナー著。

スキナーの文章は難解であるらしく、訳本もまた難解…

行動療法を志す人以外は、精読する必要はないかもしれない?

私が着目した点は…

①人の行動は遺伝的要因と体験により制御されている。

②ある人がどう行動しするorしたかを、遺伝的要因と過去の学習体験を知ることで理解し、随伴性を明確化して対処する!

③心を制御するより随伴性を制御する方が著しく容易である!

④感情は行動の付随的な産物である!

⑤願望は、行動が可能でないときの嫌悪刺激に関わっており、リビドーは、嫌悪コントロールに土台を持っている!

⑥罰せられる行動をしない見ないことによって、人は嫌悪刺激を避ける、すなわち抑圧!

⑦他の防衛機制も、強化随伴性の結果であり、ほとんどいつも罰を含み、生きている(自我としての)世界で効果的な行動を学習して罰から自己を防衛し、遺伝的資質(イド)の一部(適応的本能衝動:小生の解釈)に即して強化されてのことであって、超自我により罰せられたものではない!

⑧ユングの集合的無意識や原型的パターンに関して、いかなる時代や文明において抑圧された無意識の驚くべき類似性は、人々を強化するものや害となるものの類似性に起因する!

⑨われわれは、何をしたいかではなく、罰から逃れるために何をしなければならないのか?によって駆動されるのである!

他にもいくつか興味ある記載がありました。

①子供が組立て絵遊びで正しいピースを見つけるとき、何が起こっているのかを正確に知るには、まだほど遠い。このような反応が起こっているときに、神経系に何が起こっているのかを直接に観察するのは決してできないことかもしれない。ハイゼンベルクの不確定性原理のように、行動の神経的なプロセスを観察する手段は行動を撹乱するであろうから。
→量子論における不確定性原理の類似を推定!

②初期の行動主義者は、過去の環境からの影響において、ある人の行動から客観的に観察できる事実だけを考える。
→量子論コペンハーゲン学派の、観察できないものはないものと考えるという考えみたいだ!

③われわれは原因が分からないとき、しばしば原因を発明しやすい。
→脳科学でいう脳のインタープリター機能だ!

④遺伝的に生得である特質は、生存という価値が明白であるような環境にさらされたとき、解発されるであろう。
→ドーキンスの利己的な遺伝子に通じる?

(注)解発:動物において、同種の仲間の形態・色・音声・におい・身振りなどによって、求愛・採餌・威嚇などの本能的行動が誘発されること。

【参考】
正の強化→:強化子を与える+するようになる

負の強化→:嫌悪刺激を除去する+するようになる

正の罰→:嫌悪刺激を与える+しないようになる

負の罰→:強化子を取り上げる+しないようになる

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