dokusyo/2015-10-10
「モリー先生との火曜日」
ミッチ・アルボム著。
授業は「ミッチ 、私は死にかけているんだよ」ではじまり、
著者に眉をぴくりと上げ 嬉しそうに唇を鳴らすことで終わった。
最後は呼吸筋まで犯され自力で呼吸もできなくなる病気、ALS。
知性も意識も犯されることがない。
ALSに犯された先生と著者の物語。
実話である。
先生は死を学ぶことで生を学べるとし、
他者を愛すること、
してげたいことをしてあげること、
を信念として自己から自己超越の領域に至った。
そして、著者や家族友人支援者等の中で生き続けることとなった。
人は死に面して、そしてそれを受け入れてはじめて自己を超越できるのかもしれない。
死してのち、
その存在は、自己としてではなく、
他者の存在と一体となった新たな他者として新たな”生”を生きるのであろう。
著作はお涙頂戴でなく、淡々と綴られている。
著者と先生の人生が織り成され、遂にはハーモニーとなった。
他者を愛することを学べる本であろうか。