dokusyo/2015-11-07
「二十億年の孤独」
谷川俊太郎著。
大事なことはみーんな猫に教わった(S.ベッカー著)を読んで、訳者、谷川俊太郎の詩を読みたくなってきた。
で、読んでみました。
これまた、副作用!
三好達治の「序にかへて」が素晴らしい!
衝撃!
またも副作用が…
それはそうとして、
著者は言う…
バラについての全ての言葉は、
一輪の本当のバラの沈黙のためにある。
言葉とは本来その貧しさの中に住むものではないのか。
了である!
ところで、俊太郎の本詩集のなかで、とりわけ私の心に残ったものは、「ネロー愛された小さな犬に」という詩であった。
なんと、自身がこの詩に後年解説を載せていた。
ネロは隣家で飼われていた犬で、死期を悟って自ら家を去って、骸を人前に晒すことはなかったようだ。
俊太郎は、
生は死に呼びかけることで、かえってその輝きを増し、あたかも死に阻まれぬもののように感じたのだという。
死者に呼びかけるようなはじまりとなった理由は俊太郎にも分からないのだという。
詩作とは、詩とはそういう要素ゆえに、読んだ人各人それぞれの解釈と感動をもたらすのであろうか…