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dokusyo/2015-11-08

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Tag: 読書 書評

「アイルトン・セナ確信犯」

レオ・トゥッリーニ著。

セナに多くの日本人F1ファンが心酔しその走りに熱狂した。

速さを追求するその本能に共感したのだろう。

本書には、因縁のプロストとの怨念を中心に、1989年と1990年の鈴鹿での接触事故が本書のクライマックスとしてその内情が書かれているが…

著者はジャーナリストとしてセナと親交があり、

セナのご遺体が棺に入れられた状態で客室に安置され、著者はその横に付き添うように案内され、ブラジルまでセナ最後のフライトに同席することとなった。

セナの死因は、側壁に激突し破損したサスペンションアームが、バイザーとヘルメットシェルの僅かな隙間から、セナの脳髄を突き刺しえぐったことによる脳損傷であったというのを、本書で初めて知った。

1989年鈴鹿で、セナをノーポイントに追い込むことで自らのワールドチャンピオンを確定させたプロスト。

1990年鈴鹿では、丁度逆のことをセナは意図的復讐として行った。

因縁の2人である。

youtubeで接触事故シーンを何度も見直してみた。

1989年は、プロストの僅かな意図とセナの少し強引な突っ込みが見て取れる。

1990年は、意図的で冷静なセナの罠と、明らかな自爆的とも言えるプロストの判断ミスが映し出されている。

プロフェッサーとあだ名され、冷静で政治的駆け引きを辞さぬプロスト。

音速の貴公子と称され、幼児と悪魔が同居し、速さの追求が本能であったセナ。

両者の強烈な個性が、改めて、強烈な引力をF1にもたらしていたのだということを確認した。

著者は言う。

セナ亡きあと、F1から何かが抜け去ったと。

ターミネーターシューマッハ。

ヤンチャ坊主ベッテル。

セナの後継は現れたようで、

しかし、何かが抜け落ちているように思うのは、小生も同感である。

ベッテルにはセナを感じさせるものがある。

でも、ちょっと崇高さのようなものが見えない気がする。

セナが母国の持たざる人々に思っていたような何かと、

そして伝道者のようなスピリチュアリティー、

そういったものがセナの何かであったのかも知れない…

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