不安の脳科学
2011.05.21
カテゴリ:ブログ
不安の脳科学
雑誌「Nature」によれば、ストレスを感じると、恐怖を感じる部位である脳内の「扁桃体」という部位で、「ニューロプシン」と呼ばれるたんぱく質が生成され、それが引き起こす一連の化学反応で不安が増すのだという報告があったということを書きました。
マウスでの研究ですが、ニューロプシンを働かなくさせると、ストレスがかかっても不安行動をとらなということでした。
このニューロプシンについて、新たな報告がNatureに掲載されました。
イギリスのLeicester大学の研究チームが、不安やトラウマが発生したとき、神経に作用するたんぱく質分解酵素であるニューロプシンが、扁桃体の神経細胞から「EphB2」という神経細胞の発達に関係する受信機のようなものを切り離すことを発見したというのです。
わたしなりの解釈ですが、不安を引き起こすようなことを体験したとき、ニューロプシンが増えすぎて、EphB2が正常に機能しなくなる人が、不安反応へのブレーキが踏まれない状態となって、病的な不安が引きおこされるのではないでしょうか?
さて、本当かどうかは、今後の研究が答えを出してくれるのを待つことにしましょう。