血液検査でうつ病診断!
血液検査でうつ病診断!
一般臨床でつかえるのはいつから?
うつ病を簡単な血液検査で診断する方法を、慶応大学の研究をもとにベンチャー企業が開発したということです。
開発したのはヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(HMT)という山形県にある会社です。
sahi.comの記事によれば、
『国立精神・神経医療研究センターで「大うつ病性障害(うつ病)」と診断された31人と、年齢や性別の構成が近い健康な35人の血液を分析。うつ病患者は、血漿(けっしょう)中の「エタノールアミンリン酸」の濃度が低いことを見つけた。このリン酸の濃度を調べて、うつ病患者を正しく診断できた確率は82%、健康な人をうつ病でないと診断できた確率は95%だった。』
とのこと。
上記HMT社のホームページの広報では、
『受託解析サービスを提供する研究開発型バイオベンチャーのヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社※1(本社・山形県鶴岡市、代表取締役社長・菅野 隆二、以下HMT)と外苑メンタルクリニック(東京都港区、院長・川村則行)は、血液をメタボローム解析※2することにより、大うつ病性障害※3(以下うつ病)患者でエタノールアミンリン酸の濃度が低いことを発見し、うつ病を診断するバイオマーカー※4として特許[1]を出願しました。』
ということでです。
特許も出願して利権がからんでいますし、厚生労働省がうつ病の検査として保険での診療報酬に組み入れられたわけではなく、わたしたち臨床家が利用できるようになるのはまだまだ先の話になりそうです。
ただこの研究では、うつ病と健常者の比較のみで、不安障害や統合失調症など他の疾患との比較はなされておらず、ほんとにうつ病だけを健常者から分別する検査であるのかは検証されていないようです。
ほんとうにうつ病だけを検出できる血液検査ならば、一時も早く実用化してもらいたいものです。