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眠っている間に食事?

眠っている間に食事?

Tag: 睡眠 病気 診療 食欲

SREDとNESという病態があります。
ともに夜間に食べてしまうという病気です。

SREDは、Sleep Related Eating Disorderの略で、睡眠関連食行動障害といいます。

NESは、Nocturnal Eating Syndrome、夜間摂食症候群といいます。

SREDとNESの大きな違いは、食べたことを覚えているかいないかの違いです。

SREDでは、睡眠後に食べたことを全く覚えていないかうつろにしか覚えていません。

一方、NESでは、食べていることを明確に覚えており、夜間の睡眠前もしくは睡眠から完全に覚醒して耐え難い摂食欲求が生じ、食べないと眠れないという状態となります。

SREDは、何を食べるか分からない、食べ物でないものまで食べてしまうことがありますが、NESはまともな食べ物しか食べません。

いずれも、若い成人に多い(SREDは女性)・体重が増加する・睡眠が中断され睡眠不足になる・睡眠後の摂食を自分でコントロールできないという共通点があります。

睡眠導入剤、特に作用時間の短い寝つきをよくする睡眠導入剤の使用中に発生したという報告が多いとのことですが、ストレス・喫煙・アルコール・薬物乱用・ダイエットなども誘因となるようです。

NESでは、摂食抑制ホルモンのレプチンが夜間に分泌が抑制されやすいとの報告もあります。

SREDではまだよく調べられてはいませんが、SREDとNESは合併して発生することも多く、同様のメカニズムが関係している可能性もあるようです。

SREDと最も合併することが最も多いのは、睡眠時遊行症、いわゆる夢遊病です。

夢遊病にSREDが合併すると、SREDが症状の主体となってきますが、このよう場合には、抗うつ薬やランドセンというお薬が有効なことがあります。

また、SRED自体には、誘発要因となっている睡眠導入剤の減量中止やストレス要因への対処などの原因的なものへの対処が重要です。

SREDに効くお薬はありませんが、抗てんかん薬であるトピナ錠が有効であったという報告があります。

抗パーキンソン薬であり、特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)にも認可されたビ・シフロール錠もSREDに有効だという報告がなされました。

しかし、効果は不十分なようです。

いろいろな病気があるものだと思われるかもしれませんが、日常臨床で珍しくはない病態です。

  • ちなみに、トピナ錠は、保険適用はありませんが、飲酒欲を制御したり、食欲抑制作用があるようです。

  • 話しはそれますが、これらの疾患とは無関係に、夜型の生活をしていると、眠気を誘発するホルモンのメラトニンと摂食抑制ホルモンのレプチンの夜間分泌量が低くなるという研究があり、ダイエットしている人は、不規則な生活にならないよう注意する必要がありそうです。

  • さらに話しはそれますが、博多なら飲み会の帰りは屋台のラーメンで締める、というのは多くの方々が経験済みでしょう。飲酒は血糖を下げて食欲を亢進させる作用があります。

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