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不規則な生活と脳細胞

不規則な生活と脳細胞

Tag: 時差ぼけ 脳細胞 うつ 海馬 細胞新生
米カリフォルニア大学バークレー校(University of California at Berkeley)の研究チームの報告です。
米科学誌プロスワン(Public Library of Science、PLoS ONE)に掲載されました。

体内時計が人間に近い24時間であるハムスターのメスを、週に2回、6時間生活リズムをずらすシフト勤務生活を強いた実験を行ったというのです。

人間では、時差旅行の後、元々の生活リズムに戻っても、1か月ほどは疲れやすさ、物忘れが続くといいます。

これは、時差ぼけで脳が変化するからであるというのが、今回の研究です。

同じような脳の異常は、夜勤や、生活リズムが不規則な人にもみられるといいます。

4週間の実験期間で、生活時間帯を頻繁に変えさせたハムスターは、簡単な作業も覚えるのも難しくなり、この学習障害は、通常の生活リズムに戻してからも1か月続いたという結果がえられました。

驚くべきことに、1か月にわたって時差ぼけを体験させられたハムスターでは、記憶をつかさどる海馬での神経細胞の新生数が、規則正しく生活させたハムスターの半分程度だったということが観察されたというのです。
 
研究者によれば、昼夜のシフト勤務や、時差を超える国外旅行を頻繁にする人に、反応時間の遅れ・糖尿病・心臓疾患・高血圧・がんといった成人病の発生率の高さ、不妊になりやすいなどの症状が既に確認されているといいます。

この研究で、不規則な生活リズムが、記憶を司る海馬の神経細胞新生を抑制する可能性が示唆されましたが、別の研究では、海馬の神経細胞が新生が妨げられると、抗うつ薬の効果がなくなるとの報告もあります。

これらを併せて考えるなら、うつ病患者さんの生活リズムが不規則になると、抗うつ薬が効かなくなり、うつ病が治りにくくなるということが生じる可能性も考えられます。

療養するにも、規則正しい生活が大切であると言えるでしょう。

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