社会不安障害
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脳科学的な解明や治療も未だ…
結局、詳しいことは殆ど分かっていないようです。
緊張が著しくなる状況への不安の嫌悪的条件付けには扁桃体基底核が関係し、自律神経反応(動悸など)の開始には扁桃体中心核が関与する可能性が示唆されています。
また、行動抑制(苦手な状況を避けるようになること?)には、海馬が重要な役割を演じているとのこと。
さらに、苦手状況での心身の反応の過敏性は、右前側頭葉や右前頭前野の過活動と関係するようです。
脳のメカニズムは確定的ではありませんが、新奇刺激、たとえば初対面の人の前で初めて説明するなどの状況に起因する緊張は、得体のしれない状況で身を守るために必要な、危険をより早く察知するために必要な恐怖に起因する可能性があります。
また、他者からどう評価されるかへの不安恐怖は、思考する人間に特有の高等感情に起因するのかもしれません。
このように、社会不安障害の情緒反応には、生物としての本能メカニズムに起因するものと、恥や自尊感情など高等感情に起因する、二種の内因があるというのが、私の印象です。
本能に近い恐怖メカニズムには、メカニズムの理解と自己教示やリラグゼーション訓練が効果を発揮し、自尊感情に関連する緊張メカニズムには、認知の同定自覚と認知の修正技法が効果があると考えています。
理想的には、認知行動集団療法と社会技能訓練が望ましいのでしょうが、わが国で実施している医療機関は殆どないというのが現状でしょう。
保険医療でこうした治療法が安定的に継続実施できる体制が整えればいいのですが…