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つぶやき一行/2021-03-01

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Tag: プチ所感

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精神科治療は「知りて行わざるは知らぬが如し」かな?

「知りて行わざるは知らぬが如し」ということわざがありますが、メンタル面の治療は、まさにこのことわざの如し!でしょうか。

これは「うつ」に対する認知療法(認知の再構成や行動の活性化)あるいは強迫性障害の行動療法(暴露反応妨害法)、不安障害への行動療法(段階的暴露)などにおいて特に言えることではないでしょうか。

このようにすれば症状を治すことができますよってことは分かっているけど、それを実行することが出来ない。実行できなければ効果もありません。まさに「知りて行わざるは知らぬが如し」ですね。

もっと卑近な例としては、「最近、太ってきたし、健康のためには運動した方がいいのは分かっているけど時間もないしなぁ」って先延ばしして運動しないというのがあります。

知っていても実行しないことは知らないことと同じことです。

知っていることの5つのレベル

ところで、ある知識について、その様態を次のような5つのレベルに分けることが出来ます。

  1. 知らないレベル
  2. 知っているレベル
  3. 理解しているレベル
  4. 実行しているレベル
  5. 実行し続けているレベル

知らないレベル

これは文字通り、ある知識について全く聞いたこともないという状態です。

知っていなければ、その知識を活用することはできません。

知っているレベル

知識としては聞いたり読んだりしてはいるけど、しっかりとは理解できていない状態です。

例えば、認知行動療法という言葉は聞いたことがあるとか、何か認知についてのカウンセリングで症状を治す治療であるとかは知っているという状態がこれに相当します。

理解しているレベル

ある知識について、やろうと思えば実行できるくらいにシッカリと理解できている状態です。

一例あげると、

認知の再構成とは、ある出来事をどのように解釈するかで気分も変わって、その解釈の仕方を検証するのが認知の再構成であり、

ある出来事を「Aである」と解釈して気分が憂うつになったとき、「Aである」という解釈が正しいとする現実的根拠と、正しくないという現実的根拠を列挙して、

それらを改めて見直し、「Aである」との解釈がどの程度に確からしいのかを見積もることで気分が改善する効果が得られるというのが、認知の再構成であるということを理解している状態などがそうです。

実行しているレベル

さらに理解しているレベルにある人が、それを実際に行っているのが「実行しているレベル」です。

実行し続けているレベル

そして、知っていることを実行し続けることが自分の人生において重要であり価値があるとの認識を持って、実行し続けること(コミットメントという状態)ができているのが「実行し続けているレベル」です。

実行し続けるのは難しいけれど

しかし、よいと分かっていても、それを実行したり実行し続けるのは実際には難しいものです。

でも「知りて行わざるは知らぬが如し」です。行うことが自分には重要であり価値のあることであると認識して、負担にならない程度から少しでも実行して行い続けて行きましょう^ - ^

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