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つぶやき一行/2021-06-10

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Tag: 今日の「へーっ」

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犬は孤独の救世主?ネコは×?

東京の大田区で面白い調査が行われ、その結果が発表されました。ズバリ結果は、犬を飼っているか買ったことのある高齢者は、社会的な孤立状態となってもメンタル面での状態が悪化しにくい!ということでした。

調査は東京都健康長寿医療センター研究所がアンケート形式で行いました。対象としたのは65~84歳の介護を受けていない大田区在住のご老人たちで、その結果は、犬には孤独から生じるメンタル面の悪化を防ぐ効果があったのですけど、ネコにはその効果が認められませんでした。

社会的に孤立しているご老人で、犬の飼ったことがない人は犬を飼ったことのあるご老人に比べて、メンタル面の悪化が生じるリスクが1.22倍もあり、これは統計学的に意味のある差であることが分かりました。これに反して、猫についてはメンタル面の悪化が生じるリスクに意味のある差は認められませんでした。

獰猛でない犬との触れ合いは犬と飼い主の両方の体内で私が勝手に「慈しみのホルモン」と呼んでいるオキシトシンの分泌が増えることが知られています。これはお母さんが赤ちゃんにオッパイをあげているときに分泌されるホルモンです。穏やかな幸せを感じさせるホルモンと言ってもいいかもしれません。

さらに、犬はネコと違って散歩させないといけないというのもミソでしょう。散歩することで運動になり心身ともに良い影響を与えます。その上、ご老人が犬を散歩に連れて行くのは真っ暗な早朝や夜間ということはまずないので、目から十分量の光を取り入れることでセロトニンの分泌を促し、体内時計を整えて睡眠も改善されるるのです。それに加えて、犬の反応はネコよりも情緒的応答を生じやすいという特性があります。このようなことが犬がご老人の社会的孤立からメンタル面を守る効果があるのではないでしょうか。

ちなみに、社会的に孤立していないご老人は、犬を飼っている社会的に孤立しているご老人より、メンタル面の悪化を来すリスクは低かったということです。犬を飼う買わない以前に、社会的に孤立しないことが大切ということでしょうね。

注)「友人や隣人と会ったり外出したりする頻度」、「電話で友人や隣人と話す頻度」などの4つの社会的孤立に関する項目全てに「週に1回以下」であると回答したときを「社会的に孤立している」としたようです。

Association between Experience of Pet Ownership and Psychological Health among Socially Isolated and Non-Isolated Older Adults.Tomoko Ikeuchi et.al.Kagawa Nutrition University,Animals 2021,11(3),595;https://doi.org/10.3390/ani11030595

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