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つぶやき一行/2021-08-29

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運動

運動量の効果は仕事と余暇で異なる?

心臓血管系の質の高い論文のみを掲載している内科系専門雑誌European Heart Journalに掲載された報告を紹介します。要旨を一言で言うと、余暇時間の身体活動レベルが中等度以上であれば、主要な心血管系の病気になるリスクも死亡のリスクも低いということです。

この研究はデンマークに在住する一般住民10万人以上について調査されたものです。

プライベートでの身体活動レベルが高いと主要な心血管系の病気になるリスクは減る

「プライベートでの身体活動」が低い人に比べて、主要な心血管系の病気になるリスクは

  • 中等度の人:0.86倍
  • 高い人:0.77倍
  • 極めて高い人:0.85倍

であったとのこと。

一方で、「仕事での身体活動レベルが低い人」に比べて、主要な心血管系の病気になるリスクは、「仕事での身体活動レベル」によって、

  • 高い人:1.15倍
  • 極めて高い人:1.35倍

でした。

プライベートでの身体活動レベルが高いと死亡のリスクも減る!

「プライベートでの身体活動」が低い人に比べて、全ての死因での死亡リスクは、

  • 中等度の人:0.74倍
  • 高い人:0.59倍
  • 極めて高い人:0.60倍

との結果が得られました。

仕事での身体活動レベルが高いと死ぬリスクが高まる

「仕事での身体活動レベル」が低い人に比べて、死亡のリスクは、

  • 高い人:1.13倍
  • 極めて高い人:1.27倍

仕事とプライベートの身体活動の違い

仕事とプライベートでは、身体活動について次のような対比が成立するのではないでしょうか?「仕事vsプライベート」で記載すると、

  • 「させられている」vs「したいからする」
  • 「自由に休憩できない」vs「自由に休憩できる」
  • 「限られた休憩時間」vs「好きなだけ休憩できる」
  • 「嫌になっても止められない」vs「好きな時に止められる」
  • 「楽しくないかも知れない」vs「楽しい」

などでしょうか。同じ身体活動でも、これらの違いが心身に異なる影響を及ぼすのかも知れません。

わたしの思い

プライベートの身体活動が身体によい影響を与える一方で、仕事での身体活動が疲労や心拍数の増加、血圧の上昇などの不健康状態を招くことを「身体活動のパラドックス」と言いますが、今回紹介した研究結果と一般的知見から、十分な睡眠と栄養摂取を前提として、「仕事には十分な休憩を!」「プライベートではハードな運動を!」と言えるのではないかな?

情報源

The physical activity paradox in cardiovascular disease and all-cause mortality: the contemporary Copenhagen General Population Study with 104,046 adults. European Heart Journal, Volume 42, Issue 15, 14 April 2021, Pages 1499–1511, https://doi.org/10.1093/eurheartj/ehab087

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