つぶやき一行/2021-09-05
Tag: 今日の「へーっ」
漢方だけで「うつ病」を治すお医者さん
うつ病が治らず治療が長期化するのは、抗うつ薬や抗不安薬、あるいは睡眠薬に原因があるとして、薬は漢方のみという精神科のお医者さんが本を出していたので紹介します。(私のことではないのでご注意を！)
その医師とは？
お薬を使わずに「うつ病」を治すお医者さんとは、亀廣聡(かめひろ さとし)氏です。ボーボット・メディカル・クリニックという大阪府枚方市にある心療内科クリニックの院長先生です。わたしは面識はありませんけど、亀廣氏は、精神保健指定医かつ日本精神神経学会認定精神科専門医、日本医師会認定産業医、日本うつ病学会双極性障害委員会フェローなどという肩書きを持っています。氏のクリニックでは、うつ病で休職した方に復職訓練を行うリワークというプログラムを専門的に行なっているとのことです。
亀廣氏の主張
氏は、うつ病がなかなかスッキリ治らないのは、医師が薬に頼るからだ！と主張しています。氏の治療は安定剤や睡眠導入剤は使わないというのです。わたしの考えでは、必要であれば最低限かつ十分な効果を発揮する薬剤は使った方が治りが早いと思うのですけど、氏は一切これらのお薬は使わないとしています。また、2021年頃までに抗うつ薬を使用した患者さんは2人しかいないそうです。躁うつ病に使うような非定型抗精神病薬や気分安定薬は一時的に使用するとしていますが、主たる治療薬は漢方薬だとのこと。
お薬だけではない氏の治療方法
氏の治療は次のような治療手段を併用しているようです。
- 漢方薬
- 生活指導の徹底
- 脳のコンディション調整
- 簡易的な認知行動療法(？)
- 対人関係への介入
- 集団療法(病気の先輩からの情報や助言に元気な姿という現実)
脳のコンディション調整とはどのような治療かは分かりませんけど、リラクゼーションとかマインドフルネスとかいったものでしょうか？これらの治療により復職後の再発率0％という成績を持続させているといいます。ちょっと信じがたいと思ったのですけど、当院での復職後再発率も1%未満くらいのようです。記憶の範囲で、「休職−復職−休職」を何度も繰り返した「うつ病」の方は、この20年余りで10人はいません。他のクリニックでも同じようなもので、当院の治療成績が特段に優れているわけではありません。そうすると復職後の再発率0％というのも頷(うなづ)ける話かも知れません。
当院の薬物療法の実態は？
ちなみに当院での薬物療法の内容は以下の如くです。
- お薬を使っていない方：約0.5%
- 漢方薬＋少量の安定剤の方：約3％
- 漢方薬のみの方：約5%
- 抗うつ薬のみの方：約5％
- 漢方薬＋少量の安定剤＋睡眠のお薬(依存性のない睡眠のお薬or睡眠薬)の方：約7％
- 抗うつ薬＋少量の安定剤の方：約30％
- 抗うつ薬＋少量の安定剤＋睡眠のお薬(依存性のない睡眠のお薬or睡眠薬)の方：約35％
- 上記いずれかと躁うつ病のお薬(非定型抗精神病薬や気分安定薬)の併用：約15％
といったとことでしょうか。
お薬を使わないお医者さんの本
『復職後再発率ゼロの心療内科の先生に「薬に頼らずうつを治す方法」を聞いてみました』(亀廣聡・夏川立也：日本実業出版社)
